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第103回全国高校野球選手権

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飛躍の春に

20センバツ・倉敷商 番外編・NHKアナウンサー寄稿/上 「特別な思い」で実況 /岡山

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実況姿の永松隆太朗アナウンサー=NHK提供
実況姿の永松隆太朗アナウンサー=NHK提供

 第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)は、無観客試合を前提に準備が進んでいます。大会に向け、毎日新聞岡山支局とNHK岡山放送局がコラボレーションしました。同放送局のアナウンサーに実況の思い出や裏話を寄稿してもらいました。

 こんにちは! NHK岡山アナウンサーの永松隆太朗です。私は子どものころから高校野球が好きで、甲子園で実況したいと思ったのがNHKを志望した理由でした。実際デビューしたのはセンバツ。春は私にとって、本当に思い出深い大会です。甲子園での大声援を直接に肌で感じると、「これが甲子園か!」と、選手ではない私まで気持ちがたかぶったものです。この大舞台で平常心を保ち、日ごろの実力を出し切れる選手はすごいと思います。

 さて、私は、昨年秋の県大会のラジオ中継で、倉敷商業の試合の実況を「特別な思い」で担当しました。というのも、昨年の夏に転勤で岡山にやって来たのですが、「11年ぶり2回目」の岡山勤務。しかも、前回、私が岡山で最後に高校野球実況を担当した年は、倉敷商業が夏の甲子園に出場した年です。これは懐かしい!と感じ、当時の実況資料を見返してみることにしました。

 私たちアナウンサーは、大会期間中は、試合後に監督や選手に話を聞いたり、試合を見てチームの特徴を把握したりします。そして取材した情報を「実況資料」にまとめて放送に臨みます。11年前の資料にあった倉敷商業の特徴は「走塁やバントを絡め得点に結びつける野球」「守れるチーム作り」でした。そして、昨年秋の県大会の私の実況資料で倉敷商業の所を見ると「そつのないプレーで相手のスキを突く」「盗塁やバントなど多彩な野球」という文字が。倉商野球の伝統がぶれずに息づいているのだと、二つの資料を見比べて、改めて強く感じました。

 そんな素晴らしいチームの活躍をリアルタイムで的確に伝えるため、私たちNHKのアナウンサーは、若いころから球場で実況練習を行います。「ピッチャー第1球を投げました。打ちました。サードゴロ。サード取って一塁に送球。アウト。1アウト」と、新人の頃は基本の描写を身に付けます。そこから「ピッチャー第1球を投げました。インコース高め直球、打ちました。引っ張りました。サードゴロ。サードの左。サード、バックハンドで取って一塁に送球。ショートバウンドつかんでアウト。1アウト」というように描写数を増やしていきます。これを繰り返して放送に臨みます。球場でぶつぶつしゃべっている人を見たら、たぶんNHKのアナウンサー?だと思います。温かく見守っていただけますと幸いです! (NHK岡山放送局アナウンサー 永松隆太朗)

     ◇

 ■人物略歴

永松隆太朗(ながまつ・りゅうたろう)さん

 1999年NHK入局。長崎・岡山・松山・東京・青森・岡山と勤務。高校野球や大相撲、国体などスポーツ実況の経験あり。現在はテレビの企画や中継のほか、ラジオ番組制作も行う。

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