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熊本県の在来種「肥後五鶏(ごけい)」の一つである天草大王は一度絶滅しながら、21世紀に入ってよみがえり“幻の地鶏”とも呼ばれる。2020年で品種の復元からちょうど20年目。生産者らの努力により、今では飲食店やスーパーで人気のブランド鶏となっている。
天草大王は、明治中期に輸入された中国原産の「ランシャン種」をもとに、熊本県の天草地方で飼育されていたシャモやコーチンを交配して作られた国内最大級の肉用種。大型の雄は体長90センチ、体重は約7キロにも達したといい、福岡県の郷土料理「博多の水炊き」に欠かせない食材の一つとして高値で取引されていた。
しかし、景気の悪化に伴って水炊きの需要が低下すると、飼育数も減少。産卵率が低い特徴も災いし、昭和の初めごろ、種が途絶えた。平成が始まり、熊本県農業研究センター(同県合志市)が1992年、復元のための交配を開始。国内外の品種で試行錯誤を繰り返し2001年、「天草大王」と呼べる鶏を生み出した。
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