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余録

「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」…

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 「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」。危機管理評論家の佐々淳行(さっさ・あつゆき)氏がよく口にした金言である。起こりうる最悪の事態を想定してそれに備え、一朝事あればことさら先行きを悲観せずに冷静に臨めという▲ただ「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」で、想定外の危機に直面した人間はしばしば過ちをおかす。失敗はさらに失敗を招くのが世の常だ。大震災や原発事故、新型感染症の脅威など、先の見えぬ霧のなかで強いられる多くの意思決定である▲さて「歴史的緊急事態」とは何だろうか。実はこれ、行政文書の管理指針にもとづくもので、政府の決定を検証できるように記録作成が義務づけられる緊急事態をいう。首相は新型コロナウイルス感染拡大を同事態に指定するそうだ▲振り返れば東日本大震災では、当時の民主党政権が原子力災害対策本部などの議事録を作成していなかったことが問題化した。それを機に、歴史的な大災害などでの政府の記録作成を義務づける指針が設けられ、今回が初指定となる▲コロナ禍(か)拡大による緊急事態に備えた法改正で、私権制限への懸念がとりざたされるなか表明されたこの指定である。首相は一斉休校要請など、論議を呼んでいる政府決定についても連絡会議の議事録を整理・作成する方針を示した▲文書については信用のない安倍(あべ)政権だが、危機に臨んでの意思決定の記録を約束したのは良しとすべきだろう。緊急事態での政府の記録は将来の国民が教訓とすべき財産で、最悪の遺産は粉飾された失敗だ。

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