劇作家・別役実さん死去 82歳 「やってきたゴドー」、「づくし」シリーズ

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劇作家の別役実さん=東京都杉並区で2015年10月13日、長谷川直亮撮影
劇作家の別役実さん=東京都杉並区で2015年10月13日、長谷川直亮撮影

 独自の不条理劇の世界を確立し、戦後演劇界をけん引してきた劇作家で芸術院会員の別役実(べつやく・みのる)さんが3日、肺炎のため死去した。82歳だった。葬儀は親族のみで営んだ。しのぶ会を後日開く。喪主は長女林怜(はやし・れい)さん。

 満州国新京特別市(現中国長春市)生まれ。早稲田大政治経済学部在学中に劇団「自由舞台」に参加。原爆病患者を主人公に社会全般の不安を描いた「象」(1962年)で注目された。自由舞台で出会った演出家の鈴木忠志さんらと66年、劇団「早稲田小劇場」を設立し、「マッチ売りの少女」(66年)、「赤い鳥の居る風景」(67年)で岸田戯曲賞を受賞した。

 60年安保に参加し、そのころサミュエル・ベケットの不条理劇「ゴドーを待ちながら」に大きな影響を受けた。電信柱とベンチだけの舞台で小市民のナンセンスで滑稽(こっけい)な世界を描いた。「ゴドーを待ちながら」の後日譚(たん)として書いたナンセンス喜劇「やってきたゴドー」(2007年)では、紀伊国屋演劇賞と鶴屋南北戯曲賞を受賞した。

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