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目は語る

3月 芳賀徹さんを悼む なによりも「友」だった=高階秀爾

高階秀爾さん(中央)とのエピソードをユーモアたっぷりに語る芳賀徹さん(右)。左は高階さんの妻菖子さん=東京・上野の上野精養軒で2013年2月15日、岸桂子撮影

 君あしたに去(い)ぬゆふべのこゝろ千々(ちぢ)に

 何ぞはるかなる

 君をおもふて岡のべに行(ゆき)つ遊ぶ

 をかのべ何ぞかくかなしき

 

 芳賀徹の訃報に接した時、何となく心に思い浮かんだのは芳賀がこよなく愛した詩人與謝(よさ)蕪村の「北寿老仙をいたむ」という長篇(ちょうへん)詩であった。それは、文学や美術について語り合った時、しばしば蕪村の名が飛び交い、特に彼の『與謝蕪村の小さな世界』に強い感銘を受けた印象が残っていたためであったかもしれない。だが今、改めて蕪村の追悼詩を読み返してみて、そのなかでリフレインのように繰り返される「友ありき河をへだてゝ住(すみ)にき」の一句が、痛切に心にひびく。芳賀徹は私にとって、何よりもまず「友」であった。

 芳賀徹はまた、優れた美術評論家でもあった。というよりも、美術史や文学史などの枠組みを軽々と越えて、日本人の芸術的、美的感性の特質を見定める批評家であり、歴史家であった。そのことは、『絵画の領分』や『藝術(げいじゅつ)の国日本』などの著作を見れば、明らかであろう。

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