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記者の目

空襲と震災、理不尽な死に接して 教訓、受け継げるだろうか=丸山博(写真映像報道センター)

津波の犠牲者を土葬(仮埋葬)し、手を合わせる遺族たち=宮城県東松島市で2011年3月26日、丸山博撮影

 9年前の3月11日、東日本大震災で約2万人が犠牲になった。75年前の3月10日、東京大空襲で約10万人が殺された。人間が引き起こす戦争と自然がもたらす震災は違う。だが、まだ生きられるはずだった人々の命が奪われる点は同じだ。二つの悲劇の体験者から私は同じ言葉を聞いた。「絶対に繰り返してはならない」「何気ない日常が大切」。これこそ多くの理不尽な死から学ぶべき教訓だと思う。その気持ちを世代が代わっても受け継げるだろうか。

 東日本大震災が発生した日の夜、200~300人の遺体があるという情報で、仙台市若林区の海岸を目指した。停電で真っ暗な小学校の体育館は、避難者が外まであふれていた。「岩手、宮城、福島3県で津波による犠牲者が1000人を超える可能性がある」。ラジオが驚くべき数字を伝えた。暗闇のあちこちから嗚咽(おえつ)の声が聞こえた。

 翌朝沿岸部に入ると、約300戸の住宅が消えていた。「今の時代にこんなことが起こるはずはない」と思い、顔や手を何度もつねった。当時仙台市に住んでいた私は、その日から毎日、被災地の人々にカメラのレンズを向けることになった。気仙沼市の仮埋葬地では、40代の男性が一旦土葬されていた家族3人の遺体が掘り起こされる様子を見守っていた。「後世に残してほしい。津波がまた来た時に一人でも多く助かるように」と撮影を…

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