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経済観測

毎日新聞経済面に連日連載の経済コラム。経営者や経済評論家らが独自の視点で、経済の今とこれからを展望する。

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流通が滞らないように=農業ジャーナリスト・青山浩子

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 新型コロナウイルスによる感染拡大が、農業や農村に与える影響が徐々に明らかになってきた。

 学校給食向けに野菜を納めていた知り合いの農家は突如、別の販路を探すことになった。観光イチゴ園の予約のキャンセルが1日に900人に及ぶという農家もある。バイキング形式の食堂が評判の道の駅の駅長は、「料理が空気に触れやすいバイキングの休止を考えている。パック詰めにした料理を提供する方法はあるが、客足が1割は落ちるだろう」と肩を落とす。売り物はあるのに売る機会が減っている。かたや消費者は、貯蔵性の利くコメなどの食品の買いだめに奔走するという相いれない現象が起きている。

 消費者の行動をみるにつけ、青森県の稲作農家を取材した時のことを思い出す。この農業者は消費者にコメを直接届けており、「何かが起きても、主食だけは手元におこうと1俵(60キロ)ぐらいのコメを保管している顧客が自分の周りには多い。定期的に注文してくれ、ありがたい」と話していた。日ごろから備えを欠かさない消費行動を貫くたくましさがなおも印象に残る。自分自身を含め、こうした習慣そのものがない。突発的な事態…

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