アベノミクスの官製春闘は終わるのか 新型コロナ直撃 横並び賃上げに限界

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新型コロナウイルスの感染を防ぐため、労働組合の説明は会場に記者を集めずにオンライン上で質疑を交わすリモート型の記者会見で行われた=東京都中央区の金属労協本部で11日(代表撮影)
新型コロナウイルスの感染を防ぐため、労働組合の説明は会場に記者を集めずにオンライン上で質疑を交わすリモート型の記者会見で行われた=東京都中央区の金属労協本部で11日(代表撮影)

 11日に集中回答日を迎えた2020年春闘は、自動車や鉄鋼でベースアップ(ベア)を見送る企業が出るなど賃上げに慎重な姿勢が目立った。米中貿易戦争などに伴う世界経済の減速に加え、春闘期間中に新型コロナウイルスの感染拡大が各国を直撃し、世界経済の先行き不透明感が急速に強まっていることが背景にある。世界の金融市場に混乱をもたらしている「コロナショック」が賃上げの勢いにも冷や水を浴びせる形となった。

賃上げ否定する経営者 集会、交渉中止も

 「非常に激しい競争や厳しい経営環境の中、いかに雇用と処遇を守るかという観点で悩んだ」。ベアゼロを決めたトヨタ自動車の河合満副社長は11日、記者会見でこう振り返った。

 20年春闘は、経団連も連合も、具体的な手法は異なるものの、国際競争力の強化に向けて賃上げで有能な人材を確保し、従業員のやる気を引き出すことの重要性では認識が一致していた。しかし、世界経済の減速で当初から「高水準の賃上げは難しい」(労組幹部)との観測が浮上。これに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、「非常事態の対応が求められる」(電機連合)環境下での交渉を余儀なくされた。

 感染拡大が賃上げ回答に直接影響を与えたと…

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