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エレカシ宮本浩次さん 53歳でのソロデビューに踏み切らせた思い

ソロアルバムをリリースした宮本浩次さん。読書家としても知られ、最近はプルーストの「失われた時を求めて」を愛読しているという=大阪市北区の毎日新聞大阪本社で2020年2月24日、小松雄介撮影

 バンド、エレファントカシマシのフロントマンとして走り続けて30年以上。53歳の宮本浩次さんが4日、初のソロアルバム「宮本、独歩。」をリリースした。12曲中9曲がテレビ・映画のタイアップやコラボ曲という破格の“デビュー”アルバムだ。中学・高校の同級生で結成したバンドについて「音楽以前に、友情というもので結びついている確固たる男4人」と表現する宮本さんが、なぜソロデビューしたのか。現在の心境やアルバムへの思いを聞いた。【清水有香】

――ソロアルバム「宮本、独歩。」について、改めてご自身の手応えは?

宮本浩次 自分の歌を歌うにあたって、優れた演出のもとでこれほど彩り鮮やかに歌えたことに驚いています。演出っていったのは、例えばコラボである東京スカパラダイスオーケストラという一つのミュージシャンの集団の懐に飛び込んで歌った歌や、椎名林檎(りんご)さんのようなシンガーとしても演出家としても優れている方との共演。エレファントカシマシにはエレファントカシマシというスタイルがあって、それはある種天然の、音楽以前に友情で結びついている確固たる男4人の非常に長いストーリーも含めた演出があって、その背景もファンの人は楽しむわけです。30年以上の土台を基にしたソロということを改めて感じざるをえない、そういう感想を持っています。

 例えば横山健さんとやっている「Do you remember?」の後に、林檎さんの「獣ゆく細道」が始まることに、今でもまだびっくりします。毎回、意外性があって、超一流の演出家たちが全力で宮本浩次の歌を必要としてくれた結果なんじゃないかって私は思っていて。不思議な感覚ですね。初々しさと優れた演出が一曲一曲に込められている。すごいものになった。

 「夜明けのうた」という歌を歌い終わった後に、自分で歌声を聞いて本当にびっくりしました。俺はこんな歌を歌っていたのかと。驚嘆です。潜在的な歌の力っていうものを自分ではもちろん感じていたんだけど、ソロアルバムになったことによってここまで自分が演出に……ま、芸人でした、私はあくまで歌手だった。純粋にシンガーとして勝負できたってことかなぁ。

――それはソロ活動を考えるようになった時には想定していなかったことなのでしょうか?

宮本 そうですね、例えば今回はCMソングとかドラマの主題歌も入っていますし、そういう中で作られた曲がたくさんある。でもじゃあ自分だと演出ができなかったかというと、そんなことはない。ちゃんとエレファントカシマシも友情という安っぽくない結びつきでファンの信頼を勝ち得ていると思いますし、そこに仲間としてファンのみんなも集まってくるわけですよね。でたぶんソロって、自分で歌うときにはまた違う演出をしていたと思うんです。例えば「going my way」という曲は完全にサウンド面では宮本浩次の演出なんですね。それから「旅に出ようぜbaby」もそうですし、もっと違うスタイルの「宮本、独歩。」がそこにはあったと思う。でも今回は最高にいかした仲間たち、最高のトップミュージシャン、クリエーター、新しい仲間、そういう中からお互いに何かを感じながらスタートできたという意味では、個人のプライベートな演出よりは、非常に開かれたアルバムになった。

――ソロについて宮本さんの中ではどんなイメージがあったのでしょうか。

宮本 (長い沈黙の後)一番はやっぱり……そうですね、エレファントカシマシというのはすごく確固たるものなんですよ。40年にわたるいろんなドラマがある。エレファントカシマシの歌い手は宮本浩次だし、ソロも同じシンガーなんだけど、今回は純粋に、歌い手としてスタートしたかった。結果的にエレファントカシマシにならざるをえないんですけど、エレファントカシマシの確固たる世界ではないものを絶対やりたいと思っていたし。バンドマンではなく、純粋に歌い手の宮本浩次としていろんなものにチャレンジしたかった。作詞家や作曲家の仕事もしたいって、今も思っています。

――そのチャレンジはバンドが2017年に30周年を迎えたこととも関係しているのでしょうか。

宮本 そうですね、一つの節目というか。私、本当に飽きっぽいんですよ。それがアルバイトでも、極端な話1日でやめちゃったり。長く続いたのは船着き場のロープ…

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清水有香

2006年入社。和歌山支局、編集制作センターを経て13年から大阪本社学芸部。主に美術・ファッションを担当し、育休より復帰後の20年からは文芸・宝塚を中心に取材。ほかに音楽、映画、建築など幅広く関心がある。

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