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元電通ウーマンと女子大生4人、「湯治文化」再生に挑む 別府・鉄輪温泉

後方のシェアハウスを開設した菅野さん(左から3人目)と「のれん」を作った染色家の行橋さん(同4人目)と、入居者の学生ら=大分県別府市の鉄輪温泉で2020年2月26日、大島透撮影

 「湯治(とうじ)文化を再生したい」――。国内有数の湯どころとして知られる大分県別府市の鉄輪(かんなわ)温泉で、空き家を改装して湯治をしながら女性が同居できるシェアハウス「湯治ぐらし」がオープンした。仕掛け人は大阪出身の元電通ウーマンで、そこで暮らし始めたのが地元の女子大学生4人。「湯治女子」として、全国で廃れつつある湯治文化をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで国内外に積極的に発信している。【大島透/別府通信部】

 「湯治ぐらし」をオープンさせた菅野(かんの)静さん(41)は、大手広告会社「電通」などに15年勤務した後、地方創生のコンサルティング会社に転じ、全国150もの温泉を訪ね歩いた。脱サラして別府の鉄輪温泉に家族で移住したのは2019年3月。全国に数ある温泉の中でも鉄輪温泉のどこが魅力だったのだろうか。

 八つの温泉地区がある別府だが、このうち鉄輪は古くから湯治宿として発展し、落ち着いたレトロな雰囲気が残る。近くに観光名所の「地獄めぐり」があって観光客も多いが、地元の人同士が交流できる共同温泉が多いのも特徴だ。菅野さんには別府湾を見下ろして湯煙が立ち上る景観も魅力で、「ここならば庶民的なふれあいができる」と感じたという。

 「空き家バンク」で自宅マンション近くの民家を見つけ、間借り人5人が共同生活できるようにリフォームしたうえでシェアハウスとしてオープンさせたのが今年2月のこと。「全国の温泉地で入浴を重ねたが、女性の一人旅だと宿泊を嫌がる旅館が多い。その中でいつも温かく迎えてくれる湯治宿へと自然に足が向いた。しかし湯治宿の数は全盛期の3%まで激減中というデータもあり、湯治文化を守りたいという思いに火が付いた」

 そこへ入居し、共同の台所で自炊するなどの生活を始めたのが地元の立命館アジア太平洋大(APU)の日本人女子学生4人だ。菅野さんは温泉への日常的な入浴だけでなく、自炊や買い物をすることでの地元の人との庶民的なつきあいを勧めているが、アパートもマンションもある中で、なぜ女子大生たちはシェアハウスへの入居を決めたのだろうか。

 前橋市出身の橋本明音(あかね)さん(23)は昨秋、大学で菅野さんの特別授業を聞き…

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