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福島第1原発事故から9年 今も4万人以上が避難

事故の後始末が続く東京電力福島第1原発=福島県大熊町で2019年8月1日、本社ヘリから北山夏帆撮影

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 2011ねんきた東日本大震災ひがしにほんだいしんさいから11にちで9ねんになります。この震災しんさいでは、福島県ふくしまけんにある東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしまだい原子力発電所げんしりょくはつでんしょだい事故じここし、有害ゆうがい放射性物質ほうしゃせいぶっしつひろ範囲はんいにまきらされました。原発げんぱつちかくにんでいたひとたちを中心ちゅうしんに、福島県ふくしまけんではいまでも4まんにん以上いじょう避難ひなん生活せいかつおくっています。どんな事故じこだったのでしょうか?【毎日新聞まいにちしんぶん福島ふくしま支局長しきょくちょう西川にしかわたく

どんな事故じこだったの?

 福島ふくしまだい原発げんぱつには6発電はつでんよう原子炉げんしろがありました。そのうち1~4号機ごうきの4東日本大震災ひがしにほんだいしんさい地震じしん津波つなみによってコントロールできなくなったのです。建物たてもの爆発ばくはつするなどの事故じここし、かく燃料ねんりょうなかふくまれる放射性物質ほうしゃせいぶっしつがまきらされました。

無人機が撮影した3号機(2011年3月24日)=エア・フォート・サービス提供
事故前の3号機建屋(左)=大熊町で2006年10ガル30日
放射性物質のため、立ち入りが禁止された地域に自宅がある人たちは家を追われました。」震災から2か月、人々は車で一時帰宅しました=福島県川内村で2011年5月10日
5月10日、福島第1原発から20キロ圏内の警戒区域の一時帰宅が、川内村の避難住民から始まった=福島県川内村で2011年5月10日

 ひとめないほどの放射線ほうしゃせんばくがあると判断はんだんされた区域くいきには、政府せいふ自治体じちたいから避難指示ひなんしじされました。避難指示ひなんしじ区域くいきは12市町村しちょうそんにわたりました。地震じしん津波つなみによる被災者ひさいしゃふくめ、福島県ふくしまけん避難ひなんしゃもっとおおいときで16万人まんにんえました。

 福島県ふくしまけんでは避難ひなんによって体調たいちょうくずしてくなる「震災関連死しんさいかんれんし」がさくねんあき時点じてんで2289にんのぼりました。東日本大震災ひがしにほんだいしんさい被災ひさいした都道府県とどうふけんなかでは圧倒的あっとうてきおおいのです。県外けんがい避難ひなんしたひとなかには、いじめや差別さべつけたひともいます。

事故じこ原因げんいんは?

 原発げんぱつは、原子炉げんしろなかかく燃料ねんりょうねつ利用りようしておかし、沸騰ふっとうしたお水蒸気すいじょうきいきおいで発電はつでんまわして電気でんきつくります。

 沸騰ふっとうしたおほうっておくと、どんどん蒸発じょうはつしてなくなってしまうので、からだきにならないようにつねにポンプでみずそそがなくてはなりません。福島ふくしまだい原発げんぱつでは地震じしんれと津波つなみによって送電そうでんせん常用じょうよう発電機はつでんき使つかえなくなったため、ポンプをうごかす電気でんきがなくなってしまったのです。

 このため、原子炉げんしろなかや、使用済しようずみのかく燃料ねんりょう保管ほかんしていたプールのなかみず蒸発じょうはつし、やせなくなったかく燃料ねんりょう自分じぶんねつによってどんどん高温こうおんになってけてしまい、建物たてもの爆発ばくはつなどをこしました。「炉心溶融ろしんようゆう」(メルトダウン)とって、日本にっぽんでははじめてきた重大じゅうだい事故じこです。

被災ひさいしたひとへのつぐないは?

帰還困難区域で人通りが絶え、震災で壊れたままの店も残るJR大野駅前の商店街=福島県大熊町で30日

 日本にっぽん法律ほうりつでは、原発げんぱつ事故じこ責任せきにん電力会社でんりょくがいしゃうことになっています。この事故じこでたくさんのひと自分じぶんいえめなくなり、仕事しごとうしないました。仕事しごとつづけられなくなった会社かいしゃもあります。東京電力とうきょうでんりょくは、こうしたひと会社かいしゃ賠償金ばいしょうきん支払しはらっています。これまでにはらわれた賠償金ばいしょうきん総額そうがくは、やくちょう3000おくえんのぼっています。

 東京電力とうきょうでんりょくしめした金額きんがく納得なっとくできず、損害賠償そんがいばいしょうもとめて裁判さいばんこすひとたちも大勢おおぜいいます。くに裁判さいばんではない、解決かいけつのしくみも用意よういしました。弁護士べんごしあいだはいって、被災者ひさいしゃ東京電力とうきょうでんりょくはないをすすめます。

事故後じこごなにわったの?

 事故じこ直接的ちょくせつてき原因げんいん天災てんさいですが、事故後じこご調査ちょうさで、東京電力とうきょうでんりょく政府せいふそなえが十分じゅうぶんではなかったことがかりました。原発げんぱつ安全性あんぜんせい審査しんさする政府せいふの「原子力げんしりょく安全あんぜん保安院ほあんいん」という組織そしきは、原発げんぱつつくりたいとかんがえている経済産業省けいざいさんぎょうしょうもとかれていたので、きちんと審査しんさができていなかったのではないかと指摘してきされました。

 このため、あたらしく「原子力規制委員会げんしりょくきせいいいんかい」という組織そしき環境省かんきょうしょうもともうけられ、ここが原発げんぱつ審査基準しんさきじゅんきびしくして審査しんさをやりなおしています。これまでに8かしょ原発げんぱつけい15原子炉げんしろ審査しんさ合格ごうかくしています。一方いっぽうで、審査基準しんさきじゅんきびしくなり、安全対策あんぜんたいさくにおかねがかかるようになったため、事故後じこごに7かしょ原発げんぱつで11稼働かどうをあきらめました。

いま福島ふくしまだい原発げんぱつは?

 福島ふくしまだい原発げんぱつ事故じこから9かげつにようやく安定あんていして冷却れいきゃくつづけられ、暴走ぼうそうおそれのない状態じょうたい回復かいふくさせることができました。現在げんざい解体かいたい目指めざした作業さぎょうおこなわれていますが、むずかしい問題もんだいがいくつもあり、簡単かんたんではありません。

東京電力福島第1原発の敷地には、浄化した処理水のタンクがずらり=2019年10月2日、代表撮影

 おおきな問題もんだいひとつは、放射性物質ほうしゃせいぶっしつふくんだ大量たいりょうみず処理しょり方法ほうほうです。事故じこ設備せつびこわれてしまったため、ながれこんでくる地下水ちかすいちたかく燃料ねんりょうれ、毎日まいにち大量たいりょう汚染水おせんすい発生はっせいします。除去じょきょ装置そうち放射性物質ほうしゃせいぶっしつのぞいていますが、どうしてものぞけない種類しゅるいがあり、敷地内しきちないやく100まんトン以上いじょうもたまっています。

 また、最大さいだい難関なんかんとされるのが、原子炉げんしろないちて散乱さんらんしているかく燃料ねんりょう回収かいしゅうです。ロボットを使つかって調査ちょうさすすめられていますが、性質せいしつなどがくわしくかっていません。政府せいふ東京電力とうきょうでんりょく事故じこから30~40ねん解体かいたいえるとっていますが、もっとながくかかるかもしれません。

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