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第94回センバツ高校野球

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新型コロナ センバツ中止 球児「悔しい」 「幻の春」に涙 諦めも入り交じり

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センバツの中止が伝えられ、涙をぬぐう創成館の選手たち=長崎県諫早市で11日午後6時半、徳野仁子撮影 拡大
センバツの中止が伝えられ、涙をぬぐう創成館の選手たち=長崎県諫早市で11日午後6時半、徳野仁子撮影

 第92回選抜高校野球大会は11日、中止されることが決まった。新型コロナウイルスの感染拡大で社会不安が強まる中、無観客での開催がぎりぎりまで模索されたが、断念せざるを得ない状況となった。出場が決まっていた学校の選手はやりきれない様子で「悔しいが、しょうがない」と語り、監督は「甲子園の土を踏ませたかった」と部員らを思いやった。【岩壁峻、生野貴紀、妹尾直道、高橋由衣】

 21世紀枠で46年ぶりの出場を決めていた磐城(いわき)(福島)の木村保監督(49)は「残念という言葉が最初に出る。ただ、社会情勢を考えたらしょうがない」と冷静に受け止めた。中止の連絡を受けると、岩間涼星(りょうせい)主将(2年)に電話した。岩間主将はかみしめるように「分かりました」と答えたという。

 県教委の方針で学校は4日から休校しており、選手は部活動を自粛してキャッチボールなどの自主練習で大会に備えていた。岩間主将は「この期間が夏につながる」と話していたといい、「ジーンとくるものがあった」と木村監督。「選手らには『中止は誰も悪くない。代表に選ばれたのは確かなことだ』と伝えたい」と語った。

 仙台育英(宮城)の須江航監督(36)は「ぎりぎりまで(開催に)尽力いただいたことに感謝したい」と話した。この日で東日本大震災から9年。2011年春の第83回大会を「ライバルの東北高が出場していた。まだ食事もちゃんと取れない、風呂も入れない状態で試合を見て、喜び、楽しみや勇気をもらった」と振り返り、「こういう難しい時だからこそ、やってほしいという思いはあった」と打ち明けた。田中祥都主将(2年)は「もう一度全員で競争して一つの方向へ向かっていきたい」と気持ちを切り替えていた。

 健大高崎(群馬)の戸丸秦吾主将(2年)は「正直悔しいが、他の全国大会も中止になっているのでしょうがない。(気持ちの変化が)追いつかず、心と体が別々のような感じ」と複雑な心境を語った。「(夏に向けて)もう一回甲子園に来たいという気持ちをどれだけ強く持てるか。前を向いて進みたい」と力を込めた。

 21世紀枠で初のセンバツ出場を決めていた帯広農(北海道)は、前田康晴監督(44)が「選手に甲子園の土を踏ませたかったが、このような状況なので決定を支持するだけ。21世紀枠に選ばれてから、いろいろな経験をさせていただき、プラスしかない」とのコメントを出した。道内では100人を超える感染者が発生した。学校は2日から休校となり、部活動も中止に。選手たちは7日からは少人数による自主練習を始め、開催の最終判断を待っていた。

 8強入りした2018年以来のセンバツとなるはずだった創成館(長崎)の稙田(わさだ)龍生監督(56)は「見えない敵に負けた」と無念さをにじませた。

 稙田監督から知らせを受けると涙を流す選手たちも。上原祐士主将(2年)は「中止は考えていなかった。ずっと目標にしてきた場所だったので悔しい。夏に向け気持ちを切り替えるだけ」と声を震わせた。

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