特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

センバツ中止 涙こらえ、夏目指す 幻の春「誰も悪くない」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
センバツの中止が伝えられ涙をぬぐう創成館の選手たち=長崎県諫早市で2020年3月11日午後6時半、徳野仁子撮影 拡大
センバツの中止が伝えられ涙をぬぐう創成館の選手たち=長崎県諫早市で2020年3月11日午後6時半、徳野仁子撮影

 第92回選抜高校野球大会は11日の臨時運営委員会で、大会史上初めて「中止」されることが決まった。新型コロナウイルスの感染拡大で社会不安が強まる中、断念せざるを得ない状況となった。【中山敦貴、林壮一郎、河慧琳、高橋由衣】

 8強入りした2018年以来のセンバツとなるはずだった創成館(長崎)の稙田(わさだ)龍生監督(56)は「見えない敵に負けた。誰が悪いわけでもない」と無念さをにじませた。新型コロナウイルス感染防止のため、他校との練習試合を紅白戦に切り替えるなどしてきた中での発表に「2年生が甲子園に行くチャンスはあと1回。今はゆっくり休んで夏に向けスタートしたい」と絞り出した。稙田監督から知らせを受け、涙を流す選手たちも。上原祐士主将(2年)は「中止は考えていなかった。ずっと目標にしてきた場所だったので悔しい」と声を震わせた。

 「聖地は遠いなと改めて感じた」。鹿児島城西の佐々木誠監督(54)は悔しさをにじませた。1954年の創部から春夏通じて初の甲子園となるはずだった。開催を危ぶむ声が高まり動揺を隠せない選手たちに「結果がどうなろうと準備はしておこう」と説いてきた。佐々木監督は「もう終わったことなので選手には『これに左右されず夏に向けてしっかり練習していこう』と伝える」と話した。

 4強だった前回大会を超える成績を目指していた明豊(大分)の川崎絢平監督(38)は「仕方ないという思いと、無念という思いの両方がある。選手に何と伝えたらいいのか。正直分からない。相当なショックだと思う」とうつむいた。

 100人を超える新型コロナウイルスの感染者が確認されている北海道。21世紀枠で初出場を決めていた帯広農は、2日から休校で自宅学習となり、部活動も中止に。選手たちは検温や健康管理を徹底し、7日からは少人数による自主練習を始め、開催の最終判断を待っていた。前田康晴監督(44)は「選手に甲子園の土を踏ませたかったが、このような状況なので決定を支持するだけ。21世紀枠に選ばれてから、いろいろな経験をさせていただき、プラスしかない」とコメントした。

 21世紀枠で46年ぶり3回目の出場を決めていた磐城(いわき)(福島)の木村保監督(49)は「残念という言葉が最初に出る。ただ、社会情勢を考えたらしょうがないですよね」と冷静に受け止めた。東日本大震災発生から9年という日に中止が決まり「この日なのか、という思いはあった」と心境を漏らした。県教委方針で4日から休校中で「選手には『代表に選ばれたのは確かなことだ』と伝えたい」と語った。

あわせて読みたい