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武田 砂鉄・評『少女だった私に起きた、電車のなかでのすべてについて』佐々木くみ、エマニュエル・アルノー/著

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魂を奪う「犯罪」を軽視、放置するな

◆『少女だった私に起きた、電車のなかでのすべてについて』佐々木くみ、エマニュエル・アルノー/著(イースト・プレス/税別1600円)

 痴漢被害を聞いた途端、「でも、冤罪(えんざい)もあるよね」と知った口をきく人には、「痴漢がなくなれば冤罪もなくなるよね」とぶつける。痴漢と痴漢冤罪はライバル関係ではない。実際の件数も知らずに謎めいた比較を続ける現状は、引き続き痴漢被害が軽視されている証左ではないか。

 いまから10年以上前、12歳の女子中学生・クミが6年間もの間、山手線で痴漢被害に遭い続けた経験を小説として描いた作品は、まずフランスで「Tchikan」と題して刊行された。「私には、自分の国を去りたい理由があった」と思わせるほどの、絶望的な日々だった。

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