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第103回全国高校野球選手権

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新型コロナ、センバツ中止 幻の「背番号」手渡す 仙台育英・須江監督、選手一人一人たたえ /宮城

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須江航監督(右)から背番号「4」を手渡され、握手する鈴木誠達選手(中央)=宮城県多賀城市の仙台育英高室内練習場で 拡大
須江航監督(右)から背番号「4」を手渡され、握手する鈴木誠達選手(中央)=宮城県多賀城市の仙台育英高室内練習場で

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、史上初の中止(戦時中の中断期間を除く)が決まった第92回選抜高校野球大会。決定から一夜明けた12日、仙台育英の須江航監督は今大会で着けるはずだった「背番号」をレギュラー選手一人一人に手渡し、過酷な練習を耐え抜いたメンバーをたたえた。

 同校野球部では秋季大会後、部員72人によるレギュラー争いが始まり、特に1月以降は紅白戦を重ねてそれぞれが実戦感覚を養った。「結果が出ないときに泣いている選手もいた」(田中祥都主将=2年)ほどの過酷な競争を勝ち抜き、これまで公式戦未出場の鈴木誠達(2年)、相沢諒(同)、宇治野駿介(1年)の3選手が初の「ベンチ入り」を果たすはずだった。

 12日朝、須江監督から中止決定について説明を受けた育英ナイン。涙を浮かべる選手もいたという。須江監督は「心のケアやミーティングを重ねたい」と話した。田中主将は「(夏に向けて)頑張る気持ちが高まった」と前を向いた。

 中止が決まったのは東日本大震災から9年となる3月11日。震災が発生した2011年のセンバツも今年と同じく大会開催が危ぶまれたが、開催され、県勢から東北高校が出場した。須江監督は「食事や風呂も満足に無い状況で、センバツに喜びや楽しみ、勇気をもらったことをよく覚えている」と振り返る。今回の中止の判断には理解を示しつつ「難しいときだからこそ、大会をやってほしいという思いもあった」と無念の思いをにじませた。【滝沢一誠】

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