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余録

19世紀から20世紀にかけ世界の人々を震撼させたコレラは…

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 19世紀から20世紀にかけ世界の人々を震撼(しんかん)させたコレラは、もともとインドのガンジス川流域、とくに下流のベンガル・デルタ地帯の風土病だった。古くは紀元前4世紀ごろの碑文に似た疫病の記録があるという▲この風土病のような局地的流行は「エンデミック」と呼ばれる。ところがコレラはヒンズー教の巡礼に運ばれてインドの各地で流行することがあった。この広い地域での流行が「エピデミック」である▲そして近代、通商と交通網の発達は、ついにコレラの世界規模の大流行をもたらした。「パンデミック」である。今日では感染症について「国を越えた感染拡大が制御できず、地球上の人類の誰にも感染の可能性のある状態」をいう▲新型コロナウイルスの感染拡大について世界保健機関(WHO)が「パンデミックとみなせる」と表明した。欧米やイランで感染者が急増する中での“宣言”だ。今後アフリカはじめ医療態勢の不十分な地域の感染拡大が心配される▲19世紀にはコレラが地球を一周するのに20年かかった。これに対し昨年末からの2カ月半で世界の110を超える国・地域の約12万人に感染を広げた新型コロナである。感染拡大の防止はグローバル経済の分断も招かずにはおかない▲昔なら武漢の風土病でおさまっていたかもしれない。それが世界中の人々の暮らしを脅かす悪疫となったのも、人間の文明のネットワークにとりついたからである。ウイルスにも言い分はあろうが、耳を傾けるいとまのない今の人類だ。

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