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滝野隆浩の掃苔記

社会部・滝野隆浩専門編集委員のコラム。

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妙光寺の「新型」お守り

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 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 1人暮らしの人が増えて、役所も救急隊も緊急連絡先が分からずに困っている――。そんな話をしていたら、新潟市にある妙光寺の前住職、小川英爾さん(67)は「うちの檀家(だんか)さんは寺が連絡先ですから大丈夫です」と言っていた。半年ほど前だったか。

 その小川さんから、先日、こんなの作りました、と名刺大のお守り(カード)が届いた。表に天女像の写真があり、裏側には氏名と血液型、寺の電話番号。財布に入れておけば、外出中に倒れても対応でき、前もって聞いていた「かかりつけ医」も伝えられる。100枚作って3月から希望者を募ったら、問い合わせが相次いでいるらしい。

 1989年、跡継ぎを必要としない集合墓「安穏廟(あんのんびょう)」をつくり、檀家に代わる会員を首都圏などから募って注目された妙光寺。ただ、今回の緊急対応サービスは檀家対象だという。もともと檀家の急な葬儀に対応してきたから、24時間いつでも動ける態勢はあった。1人暮らしの檀徒にとって、カードはまさかのときの、まさに「お守り」になるのだ。

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