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終わらない氷河期~疲弊する現場で

親世代のような生き方は「無理ゲー」 作家・雨宮処凛さん

作家の雨宮処凛さん=根岸基弘撮影

 「40代になってまで氷河期と言われると思わなかった。一番の誤算です」。「ロスジェネ世代」の象徴的存在として発信を続け、2月に新著「ロスジェネのすべて 格差、貧困、『戦争論』」を刊行した作家の雨宮処凛さん(45)は、この世代が新卒時に味わった苦しみが今も尾を引き、さらに過酷な状況になっていると指摘する。20代に一時右翼団体に所属した後、反貧困運動に取り組むようになった異色の経歴を持つ雨宮さんから見たこの20年とは――。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

 北海道出身。1993年に高校を卒業後、美大を目指して上京し、予備校に通っていました。2浪して進学をあきらめた時、世の中は「就職氷河期」と言われていた。19歳でフリーターになり、アルバイトを始めましたが度々クビになり、生活はどん底。超貧困でした。外国人労働者が増え始めたのもその頃です。バイト先で働いていた飲食店で「日本人より給料安くて働くから、外国人と取りかえるよ」と言われたことがあり、自分は「日本社会の最底辺」なんだと感じました。外国人と一緒に働き、競合するようになった初めての世代でしょう。そんな中で「自分はあの人たちとは違う」と思いたくて、過剰に日本人であることにこだわったんだと思います。

 当時、小林よしのり氏による漫画「ゴーマニズム宣言」を読んでいました。薬害エイズや地下鉄サリン事件などを扱っていて、最初は知りたい社会問題を分かりやすく学べる存在でした。だんだん主張が右傾化してきて、左翼を「偽善者」と批判するようになった。自分も学校で「頑張れば報われる」と言われて厳しい受験戦争の中を必死に勉強したのに全然報われず、学校や教育にだまされたという被害者意識が強かった。だから偽善者という主張がすっと入ってきたんです。バブル崩壊で世の中が根本から変わっているのをすごく感じていたし、「いつホームレスになるか分からない」という危機感があり、焼け野原の中をサバイブしているような感覚でした。友達が自殺をしたり、自分も自殺願望の塊でリストカットがやめられなかった。

 そんな時に右翼の人と出会い、「お前は悪くない。悪いのはアメリカと戦後民主主義だ」と初めて免責されて、すぐに右翼団体に入りました。私が入った直後、「ゴーマニズム宣言」の「戦争論」を読んだ同世代の中卒、高卒のフリーターがたくさん入ってきて驚きました。私は右翼じゃないと気…

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牧野宏美

2001年入社。広島支局、大阪社会部、東京社会部などを経て19年5月から統合デジタル取材センター。広島では平和報道、社会部では経済事件や裁判などを担当した。障害者や貧困の問題にも関心がある。温泉とミニシアター系の映画が好き。

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