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作家引退後にやりたいジャズバーの名前は決まっていて…村上春樹さんが熊本で語ったこと

参加者からの質問に答える村上春樹さん(右)=熊本市中央区で2020年2月22日午後8時27分、津村豊和撮影

 2016年の熊本地震から4年を前に2月22日、世界的人気作家の村上春樹さんが熊本市内で開かれたトークイベントに登場。村上さんは、編集者で写真家の都築(つづき)響一さん、熊本市在住のエッセイスト、吉本由美さんとともに、自身の呼びかけで集まった被災地支援の寄付金の使い道を報告した。この日は新型コロナウイルス感染者が熊本市内で確認されたと発表があり、「ギリギリまでどうするか迷った」(村上さん)という状況で、約200人の参加者やスタッフ全員がマスクを着用した。村上さんは、寄せられた多数の質問にもユーモアを交えて答え、会場は終始、なごやかな雰囲気に包まれた。

 始まりは熊本地震の前年、女性誌「クレア」(文芸春秋)の企画で、村上さんが都築さん、吉本さんと熊本県を旅したことだった。その10カ月後に地震が起こり、村上さんの発案で16年4月、被災地を支援する「クレア<するめ基金>熊本」が誕生。同年末までに全国から約1350万円が集まった。

 もともと3人は02~04年、「東京するめクラブ」として、熱海や江の島、清里、ハワイなど「ちょっと変な」(都築さん)場所を旅し、旅行記を月刊誌に不定期連載していた。「清里ではやること無いから、3人で僕が持って行った化け猫映画を見てたんだよね」(村上さん)という旅の様子は文春文庫の「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」に詳しい。その後、メンバーの吉本さんが熊本に帰郷し、クラブは休止状態となっていた。その「リユニオン」(同窓会)として、15年に2人が熊本県を訪れたのが縁となった。

 15年に訪れた際は、店主(田尻久子さん)とともに看板猫「しらたま」で有名な熊本市内の名物書店「橙(だいだい)書店」で非公開の朗読会を開催したほか、荒尾市の炭鉱跡・万田坑や阿蘇、人吉市などにも足を延ばし、県庁ではくまモンについても取材した。旅行記は同年の「クレア」9月号に掲載された他、村上さんの紀行文集「ラオスにいったい何があるというんですか?」に収録されている。

 基金の使い道については、3人で話し合い、村上さんは熊本市内にある夏目漱石の旧居の復旧600万円▽吉本さんは熊本市動植物園の園舎の修復500万円▽都築さんは西原村の音楽ライブ支援200万円――と決めた。これは、寄付金の使い道を明確にし、支援者に報告するためだった。「寄付で一番問題なのは、自分が寄付したお金が、どんなふうにど…

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上村里花

1998年入社。長崎支局を振り出しに、広島支局、益田通信部(島根)、久留米支局(福岡)などを経て、2019年春より西部本社報道部学芸グループ。記者1人、デスク1人の最小ユニットのため、担当は文芸、学術全般(文化財や歴史など含む)、演芸と幅広い。初任地で出合った落語にはまり、好きが高じて、2008年からは広島で個人で地域寄席「広島で生の落語を聴く会」(生らくご会)を主宰。江戸落語を中心に、浪曲や講談、活動写真弁士、スタンダップコメディなど幅広く「話芸」の魅力を伝えるため、生の舞台を提供。仕事では、初任地での被爆者との出会いから「核と人間」の問題をライフワークとする。06年から続く本紙連載「ヒバクシャ」企画には開始当初から携わり、「ズッコケ三人組」シリーズでおなじみの児童文学者、那須正幹さん(広島で被爆)を担当。

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