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東京へ ともに歩む

毎日新聞

プレミアリーグ東京の女子形で決勝進出を決めた清水希容=東京・日本武道館で2019年9月6日、宮間俊樹撮影

Skill

スピードあふれる 空手形・清水希容の「チャタンヤラクーサンクー」

 目にも止まらぬ速さで、連続して手技を繰り出す。世界空手連盟が認定する102種類の形で最高難度を誇るのが「チャタンヤラクーサンクー」だ。東京オリンピック形女子代表で世界選手権2度優勝の清水希容(26)=ミキハウス=は「私の得意形」と絶対の自信を持つ。その極意とは。【松本晃】

 見せ場は冒頭の突きと相手の攻撃を止める「受け」が連続する攻防だ。5秒の間に8度の突きと受けを演武する。体格で上回る海外勢の力強い形に、身長160センチの清水が速さとキレで対抗するのに適した形だ。

 清水の速さの秘密について、元世界女王の宇佐美里香さん(34)は「下半身と体幹の強さで体を同じ高さに保ち演武することで、無駄な動きがない」と解説する。上半身と下半身の動きを一致させ、躍動感も表現できる。

 高校時代は「猫足」で下半身を鍛えた。突きなどの基礎練習で、前足を爪先立ちの状態で臨むというのだ。さらに社会人になってからは、長い時は1日10時間以上に及ぶ豊富な練習量で足腰の強さに磨きをかけてきた。

 下半身の強さが最も生かされるのが、中盤で見せるジャンプ。体を180度回転させながら両足を抱え込んで跳び上がり、「世界トップクラス」という高さと滞空時間を誇る。両手と両足を同時につく正確性も兼ね備え、ピタリと着地も決める。

 勝負は7人の審判が各10点満点で採点し、上下2人ずつを除いた合計点数(30点満点)の高い選手が勝ち抜ける形式で争われる。清水は相手との戦いでありながら、自らのパフォーマンスをいかに高めるか求められる形について、こう表現する。

 「終わりなき旅」

 その言葉にも表れるあくなき向上心が強さの源でもある。体操の内村航平から体の動かし方、フィギュアスケートの羽生結弦から表現力と、他競技の映像も見て学ぶ。伝家の宝刀に磨きをかけ、五輪の頂点を目指す。

清水希容(しみず・きよう)

 大阪府出身。2013年に女子形最年少の20歳で全日本選手権を制し、現在7連覇中。2年に1度の世界選手権は2014、16年と2連覇し、18年も2位に入った。

松本晃

毎日新聞東京本社運動部。1981年、神奈川県生まれ。住宅メーカーの営業を経て、2009年入社。宇都宮支局、政治部を経て16年10月から現職。柔道、空手などを担当。文学部心理学科だった大学の卒論は「電車の座席位置と降りる早さの相関関係」。通勤に一時間半の今に生きているような、いないような。