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今週の本棚

岩間陽子・評 『ライオンのおやつ』=小川糸・著

 (ポプラ社・1650円)

 テーブルにこぼしたクッキーのくずを、指にくっつけて食べるように、すみのすみまでおいしい一冊だった。海野雫は、自分に最後に残されたわずかな日々を過ごすため、瀬戸内海に浮かぶレモン実る島のホスピスにやってくる。三十三歳。その日はクリスマス。ホスピスの名前は「ライオンの家」で、代表の名前がマドンナ。そこで過ごす日々は、人生最後のクリスマスプレゼントとなる。

 物語の細部に、趣向が凝らされている。船に乗ってレモン島にやってくるのは「海のしずく」。ホスピスの食事担当は、叶姉妹ならぬ、白髪の「かの姉妹」。ここでは、自分の名前を選ぶことができる。「アワ」ではなく「クリ」と読まれることを限りなく期待している「粟鳥洲(あわとりす)」氏。レモンの島で、ワイン用の葡萄(ぶどう)を育てるタヒチ君。優しい海に囲まれた島の澄んだ空気とおいしい食事に、雫の五感は解放され、心…

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