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アートの扉

ニーノ・カルーソ アーキスカルプチャー(セジェスタ) 古代と現代結ぶ軽やかさ

1988~91年、テラコッタ

 内部に空間を抱えた器物、あるいは実用性を排したオブジェ。そんな「陶芸」の概念が見事に覆される。イタリア現代陶芸の巨匠ニーノ・カルーソは柱や扉、壁面など建築的要素をはらんだダイナミックな陶表現を展開し、周囲の景色と響き合う造形世界を紡いだ。

 カルーソ作品の特徴の一つが、ユニットを組み合わせて生まれる複雑な形だ。それらは電熱線でカットした発泡スチロールを原型に、鋳込み技法で量産される。1970年に京都国立近代美術館で開かれた「現代の陶芸―ヨーロッパと日本」展には、この独特の手法による初期作「陶彫」(68年ごろ)が出品された。波打つ表面が生むリズムの反復。ついたてのような形態に作家の空間への意識がみてとれる。

 カルーソは展示する場や環境に応じ、ユニットを自由に組み替えて空間を構成した。デザイン性に富んだ造形は、古代ギリシャやローマ建築の装飾性を濃くにじませている。現代的な手法で刻まれるアルカイックなイメージ。そこには「人類の起源を探求しようとする強い意志がある」と、本展を企画した同館の大長(だいちょう)智広研究員は指摘する。神話の登場人物や遺跡の名を冠した作品も多く、「現代空間そのものとの関係性の中で…

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