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「なぜ」理解できぬまま 被告に後悔の言葉なく 相模原殺傷、死刑判決

いすに座り、判決を聞く植松聖被告。長髪をたばね、スーツ姿で出廷した=イラスト・こはまゆうや

 裁判員らが選択した結論は死刑だった。元職員が相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の利用者ら45人を殺傷して社会を震撼(しんかん)させた事件。殺人などの罪に問われた植松聖(さとし)被告(30)は障害者に対する差別的な考えを最後まで変えず、横浜地裁の裁判は終わった。被害者の家族らは「なぜ事件を起こしたのか、理解しきれなかった」などと複雑な思いをにじませた。

 新型コロナウイルスの対策のため、この日の公判は約25の一般傍聴席を10に減らし、席の間を空ける特別な措置がとられた。普段より静かな法廷に、判決理由を読み上げる青沼潔裁判長の声が響く。腰のあたりまで伸ばした髪を束ね、黒いスーツ姿の被告は証言台の前に座り、時折首を動かす仕草を見せる以外は静かに耳を傾けていた。

 1月8日の初公判の冒頭、被告は「皆様に深くおわびします」と述べると右手の小指をかんで暴れだし、退廷を命じられた。その後は、心に傷を負った遺族や被害者がいる法廷で障害者を侮辱する発言を繰り返した。

 津久井やまゆり園で働くうちに「障害者は必要ない」「重度障害者は安楽死させるべきだ」と考えるようになったという。障害者を殺害することが「社会の役に立つことだと思った」と説明した。

 被告人質問で、殺害された19人のうち唯一名前を公表した美帆さん(当時19歳)の母親の弁護士から「美帆さんは人に幸せを与えていた」と伝えられても、被告は「そうかもしれないが負担にもなっていた」とかたくなに考えを変えなかった。

 「歌手か野球選手になれるならこんなことをしない」。別の遺族の男性から「コンプレックスから事件を起こしたのか」と尋ねられた被告はそう答えた。「その方が楽しいから事件には興味がないと思う」とも口にした。事件を悔やむ発言は最後までなかった。

 16回の審理を経て迎えた判決の日。裁判長が「死刑をもって臨むほかない」と言い渡して閉廷を告げると、被告が手を挙げて「最後に一つだけ……」と発言の機会を求めた。退廷しようとした裁判員らが一瞬、足を止める。しかし、裁判長は発言を認めなかった。傍聴人…

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