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「万葉古道」を尋ねて

交流・別れ・流浪/56 紀路/5 ツバキ香る、唐との交流 /奈良

巨勢谷を流れる曽我川。左側の民家の間を紀路が通る=御所市奉膳で、栗栖健撮影

 「万葉集」には、ツバキを取り上げた歌が9首ある。この木はヤブツバキで本州~沖縄、朝鮮半島南部に自生するツバキ科の常緑広葉樹。つややかで大きな葉は、人が薪を切る冬枯れの落葉広葉樹林の中でもよく目立っただろう。春の赤い花も。

 万葉歌のツバキの漢字は、「椿」が「巨勢(こせ)の春野」を舞台にした巻一の54、56など4首。10世紀初め、深根輔仁によるわが国最古の薬学書「本草和名」は、中国書を引用し「椿木」は「樗木」に似るとし和名「都波岐(つばき)」とした。

 だが、「椿」の字は中国では別の木を指していた。古くは紀元前4世紀半~3世紀初めの著と推定される「荘子」に出ている「大椿」は霊木の名らしい。その後の薬物の本では「椿」はセンダン科落葉広葉樹のチャンチンを指していた。樗木はハゼノキに似たウルシ科のヌルデだ。どちらもツバキには葉も花も似ていない。古くからある「椿」の字を知った日本人が、春の花が印象的なツバキに結び付けたのではないか。

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