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社説

相模原殺傷で死刑判決 事件の意味考え続けたい

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 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者19人が殺害され、26人が負傷した事件で、横浜地裁が元施設職員の植松聖(さとし)被告に死刑判決を言い渡した。被告はこれまで控訴しない意向を示している。

 判決まで17回開かれた公判で、被告は「意思疎通の取れない人は社会の迷惑」と繰り返した。

 謝罪はしても、重度障害者を差別する誤った考えは撤回しなかった。被害者家族は、やりきれない思いを募らせたのではないか。

 周囲の証言などから、施設で働いている中で差別意識を強めていったことが明らかになった。被告は、衆院議長公邸に事件を予告するような手紙を出して措置入院となった際、殺害を決めたと述べた。

 しかし、これほどの凶行に至り、人の命に格差があると言い続ける原因や背景は何だったのか、裁判で解明されたとは言い難い。

 被告は施設での勤務について、他の職員の命令口調や介護の様子を見て「(利用者を)人間として扱えなくなってしまうのかなと思った」と語った。自身がコンプレックスを抱えていることも認めた。

 ただ、勤務の実態や障害者との関わり、被告の生い立ちが事件に影響を及ぼしたのかどうかに関して、踏み込んだ審理は行われなかった。

 市民が参加する裁判員裁判で期間の制約があり、争点は責任能力への大麻の影響に絞られた。

 社会に大きな衝撃を与えた事件である。もっと時間をかけて、丁寧な審理をすべきだった。

 厚生労働省が事件後に行った検証の対象は、措置入院のあり方にとどまった。障害者施策の問題点を洗い出すまでには至っていない。

 事件を聞き、我が事として恐怖を感じた障害者や家族は少なくない。より弱い立場の人に向けられる差別的な視線を、肌で感じているからではないか。

 裁判では、何の非もないのに名前を明らかにすることを避ける被害者や家族がほとんどだった。その事実自体が偏見の根深さを示している。

 この事件を特異な人間の凶行と片付けてはならない。被告と接見を続けた専門家がおり、その見方も参考になる。事件が起きた意味を社会で考え続けていく必要がある。

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