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詩歌の森へ

自然詠を究める=酒井佐忠

 真心をこめてゆったりと豊かに俳句に向けた生涯を象徴するような部厚な一巻が誕生した。『廣瀬直人全句集』(角川書店)である。ケースカバーの装幀(そうてい)は、俳人が愛した甲斐は笛吹川からの情景だろうか。歴史ある「毎日俳壇」選者を務めた飯田蛇笏・龍太父子の師系を守り、甲斐の風土と豊かな人間性を見つめ、自然詠の極致を究めた広瀬直人の全句集作品と俳論・随筆・自句自解・年譜などを収めた貴重な一冊だ。

 <枯谷の真竹の月日満ちてをり>。第1句集『帰路』のこの句を見た龍太は、真冬に直立する「真竹」のような瑞々(みずみず)しさを感じ、「広瀬直人の句には真竹のいろがある」と評した。<正月の雪真清水の中に落つ>。第2句集『日の鳥』から。裏山の湧水を表した「真清水」が印象的だ。2008年刊の第6句集『風の空』で蛇笏賞を受賞。<空が一枚桃の花桃の花>と自然詠の極致ともいえる素朴で明解な境地に達した。

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