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EUの一体感むしばむ新型コロナ 相次ぐ加盟国の「封鎖」政策

主要7カ国(G7)首脳によるテレビ電話会議後に記者会見を開いたフォンデアライエン欧州委員長=ブリュッセルで16日、ロイター

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は16日、EU域内への不要な渡航を原則禁止する措置を加盟国に提案した。期間は30日間で状況によって延長も検討する。EUの域外国境を事実上「封鎖」する異例の措置だが、その背景には感染拡大にブレーキをかける狙いだけでなく、加盟各国が独自に国境を閉ざすなど、新型ウイルスを巡りEUの一体性が損なわれつつあることへの懸念もある。

 EU首脳は17日に緊急のビデオ会議を開いて欧州委の提案を協議する。マクロン仏大統領は16日夜、EUへの入域制限は17日から始まると述べた。

 欧州委が検討する入域制限地域は、EU加盟国のうちアイルランドを除く26カ国と、国境審査なしで人の行き来を可能にするシェンゲン協定に参加するスイスやノルウェーなど非EU4カ国の計30カ国を想定している。

 フォンデアライエン氏はビデオメッセージで「移動が少ないほど、ウイルスを封じ込めることができる」と述べた。EU加盟国の長期在住者とその家族、外交官、医療従事者などは入域制限の対象外という。

 欧州の感染者はイタリアやスペインを中心に増加傾向に歯止めがかからず、4万人を突破。世界保健機関(WHO)は13日、「欧州がパンデミック(世界的大流行)の中心地となった」との見解を示した。

 EUやシェンゲン協定の加盟国にとって「国境の撤廃」は平時には経済活性化に寄与する一方、この数週間でウイルスの感染を急拡大させた要因の一つにもなった。

 このため、EU加盟国では独自の判断でシェンゲン協定の参加国にも国境を閉ざしたり、マスクの輸出制限を決めたりする動きが拡大。EU単一市場の一体性が損なわれかねない事態に発展した。欧州委は16日に公表した国境管理の指針で、医療用品、生活物資や必要なサービスを確保する必要性を強調。シェンゲン圏を事実上「封鎖」することで、域内の国境管理を緩和させたい考えだ。

 しかし、加盟国は自国保護を優先する姿勢を強めている。フランスのマクロン大統領は当初は国境管理強化に慎重だったが、16日夜のテレビ演説で「我々は戦争状態にある」と述べ、17日から全土で住民の外出を制限すると共に、EUの入域制限に同調すると発表。スペインも16日、外国人の入国は認めない事実上の国境封鎖を決定した。

 ドイツ連邦政府は16日、隣接するフランス、スイスなどとの国境を事実上封鎖する措置を開始。また、連邦政府と各州は同日、スーパーマーケットや薬局、銀行などを除く店舗の閉鎖措置を講じることで合意した。レストランは午後6時までとし、バーや博物館の営業などだけでなく、教会やモスクなどでの集会も禁止される。国境閉鎖だけでなく、欧州各国で、私権の制限を含む強硬な措置が広がっている。【ブリュッセル八田浩輔、パリ久野華代、ベルリン念佛明奈】

 新型コロナウイルスを巡り、英国は他の欧州各国とは一線を画した独自の対応を取っている。自宅への自主隔離などを奨励する一方で、入国制限や学校閉鎖は行っていない。背景には、ある程度の感染を容認し、国民に「集団免疫」を付けさせようとする考えがあるが、専門家から批判の声も上がり…

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