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再思三省

第84回 間違えられない「字」

新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議。右端は座長を務める国立感染症研究所の脇田隆字所長=首相官邸で2020年2月16日午後5時1分、北山夏帆撮影

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 「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

読み方を覚えれば

 (国立感染症研究所の)脇田隆宇所長 → 脇田隆字所長

 読みは「わきた・たかじ」さん。確かに「字」の字が人名に使われることは珍しく、「宇」と見間違えてしまう気持ちも分からなくもありません。人名では同音の変換ミスも怖いものですが、この方については読み方を覚えておくことが誤入力防止の特効薬。新型コロナウイルス問題が起きてから、同じ誤りをした原稿を複数見ています。終息するまで何度も記事に登場するはずの人物ですし、誤字の感染拡大は確実に食い止めましょう。

「邦人」使えますが

 現地邦人に出向 → 現地法人に出向

 いかにも違和感なく読んでしまいそう。もちろん「現地法人を救出」のような逆方向の変換ミスもあります。新型コロナウイルス問題では中国にいる日本人をチャーター機で帰国させましたが、これに絡んで「日本人と邦人って使い分けるの?」「新聞で『邦人』って使っていい?」といった質問を社内で受けました。「邦人」はわが国の人という意味のやや硬い表現で「現在は、外国にいる日本人をいうことが多い」(大辞林)。変換ミスさえしなければ使っても全く問題ありませんが、国内の日本人をこう呼ぶと違和感を持たれるかも。

原点に返って

 骨肉種 → 骨肉腫

 複数人の目をすり抜けた誤り。読みが同じで字形も似ているため、ぱっと見て気づきにくいというのは、以前にも当欄で紹介した「堀/掘」「磯/礒」などと同じ。まさに校閲の天敵です。過去にあった同類のミスを挙げると「1000憶円の負債」「神戸製綱-パナソニック戦」「護衛鑑を中東に派遣」など。どこがおかしいか分かりますか? それぞれ、1000「億」円、神戸製「鋼」、護衛「艦」が正解。文脈から正しい字が入っているに違いないと思い込むことなく、1文字ずつ見るという原点を守り続けなければ必ずどこかで見逃します。

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