自殺の前年、聴衆に届いていた三島由紀夫の言葉 よみがえる“伝説の討論”

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映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」の一場面。大教室を埋める学生と向き合う三島=ⒸSHINCHOSHA
映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」の一場面。大教室を埋める学生と向き合う三島=ⒸSHINCHOSHA

 作家・三島由紀夫が学生運動のさなかに学生らと交わした“伝説の討論”が映画化され、「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」として20日から全国公開されている。テレビ局に残っていた唯一のフィルムをデジタル補正し、関係者の証言を交えて熱い論戦をよみがえらせた。三島は今年で没後半世紀。豊島圭介監督(48)は「かつての日本の空気感を記録できた」と語る。【五十嵐朋子】

 討論会は1969年5月、学生らが「論破して立ち往生させる」と三島を招き、東京大駒場キャンパスの大教室で開かれた。正反対の思想信条を掲げる学生ら約1000人の前に三島は乗り込み、挑発的な論争に応じる。熱戦のテーマは「天皇」に及ぶが、真っ向から対立すると思われた三島と学生たちは、不思議な一致点を見いだしていく。

 映画化のきっかけは2019年、この討論会を当時取材したTBSで約90分間のフィルムが見つかったこと。「他者とは」「行為の有効性とは」。交わされる難解な議論に、豊島監督は「“宇宙の言葉”のよう」と圧倒されながらも引き込まれた。関連する書籍を読み、討論会を企画した元学生や三島が結成した団体「楯の会」元会員にインタビューを申し込…

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