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Ball STORY

ダルも認めるフレーミングが「自分の武器」阪神・坂本の捕球論

「フレーミングの名手」と呼ばれる坂本=沖縄県宜野座村で2020年2月1日午後0時21分、田中将隆撮影

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 迷わず、球審が右手を挙げた。2月24日、沖縄県浦添市で行われたヤクルト―阪神のオープン戦。九回、阪神の秋山拓巳投手が投じた外角低めへの際どい直球を、捕手の坂本誠志郎捕手(26)は球審の目に留まらないよう、ミットをわずかに内側に寄せながら捕球。見逃し三振を奪った。

 坂本が「自分の武器」と語るのが、フレーミングだ。これは、際どいコースのボール球を、球審にストライクと判定してもらえるよう巧みにキャッチングする技術。近年、米大リーグで捕手の評価指標の一つとして注目を集めている。パ・リーグ球団のあるバッテリーコーチは選手への指導にも生かしており「(指標として)曖昧なところもあるが、大リーグでは年間100球のボールをストライクにするのは、10勝の価値があると聞く」と説明する。

ブルペンで投手の球を受ける坂本=沖縄県宜野座村で2020年2月1日午後0時28分、田中将隆撮影

 坂本はフレーミングの名手として必ず名前が挙がる一人だ。今年1月には、米大リーグ、カブスのダルビッシュ有投手が、ウェブメディア「REAL SPORTS(リアルスポーツ)」のインタビューで「(坂本は)うまいですよね。あの人を見ていると気持ちがいいし、どんなフレーミングなのか、一度投げてみたいですよね」と語った。

 その坂本は捕球する際、球を「肘で拾う」感覚を意識している。というのも「投手の投球は真っすぐに見えても(引力で)勝手に落ちてくる。下から捕ることが重要」だからだ。さらに、「ボール球をストライクにするよりも、ストライクの球をストライクと言ってもらうこと」を心掛けているという。

藤井バッテリーコーチ(左)に捕球から素早く送球に移るための技術を教わる坂本=沖縄県宜野湾市で2020年2月24日午前11時41分、田中将隆撮影

 ただ、阪神の正捕手には、2年連続ゴールデングラブ賞に輝いた2歳年上の梅野隆太郎捕手がいる。坂本は昨季、20試合出場にとどまった。課題は送球で、キャンプでは、藤井彰人バッテリーコーチと捕球した後、送球動作にスムーズに移れるよう練習。藤井コーチは「0・1、2秒の差かもしれないが、捕手にとってはそれが重要」と言う。

中日とのオープン戦で左翼スタンドに本塁打を放つ坂本=沖縄県北谷町で2020年2月22日午後1時39分、田中将隆撮影

 2月22日の中日とのオープン戦では左越え本塁打を放ち、打力でもアピールした坂本。ただ、本人は「投手陣に信頼される存在になりたい」と語り、こう続けた。「子どもたちが自分の技術を見たいと思って球場に来てくれたらうれしい」。知る人ぞ知るから、誰もが知る存在へ――。真価を問われるプロ5年目だ。【田中将隆】

さかもと・せいしろう

 1993年11月10日生まれ。身長176センチ、体重80キロ。右投げ右打ち。兵庫県出身で大阪・履正社高では3年のセンバツで準決勝まで進んだ。明大時代には大学日本代表の主将も務め、ドラフト2位で2016年に阪神入団。背番号は「12」。17年の42試合がシーズン最多出場。19年10月に右肘のクリーニング手術を行った。

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