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Interview

吉村萬壱さん 欺瞞的社会を直視 昨年末から『出来事』『流卵』刊行

新作について語る吉村萬壱さん=大阪府貝塚市の仕事場で2020年3月9日午後4時19分、清水有香撮影

 ウイルスの脅威が人々の差別心をあおり、誰かのでっち上げたウソが現実を動かす――。こんな時だから、会いたい作家がいた。欺瞞(ぎまん)的な社会を直視し、人間の狂気を徹底して描いてきた吉村萬壱さん(59)。2019年末に『出来事』(鳥影社)、先月に『流卵』(河出書房新社)を相次いで刊行した。「人間は自分とは違う異物を排除しないと正常が保てない生物。だれもが都合良く捏造(ねつぞう)した物語を現実として生きている。御しがたい存在ですよ」。今年、デビュー19年の作家は言い放つ。

 ある町に「チク」と呼ばれる場所がある。国は存在を否定しているが、感染性の病気が封じられているらしい。<でっち上げの偽物に過ぎないこの世界>を記録する「チク」の住人である私。そこに侵入する「日常世界」の家族。娘の学校の担任は言う。<人間を最も野蛮にするのは恐怖の感情です>。人々は異常事態に巻き込まれながら、奇怪でグロテスクな本性をあらわにしていく。『出来事』はこんな展開をたどる。

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