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体に残る感触、PTSD…兄から性被害の女性「見ないふりやめて」 願う刑法改正

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新型コロナウイルスの影響でインターネット中継となったフラワーデモで「One Voiceキャンペーン」と書いた紙を掲げて思いを伝える山本潤さん(左)ら=東京都千代田区で2020年3月8日午後6時12分、手塚耕一郎撮影
新型コロナウイルスの影響でインターネット中継となったフラワーデモで「One Voiceキャンペーン」と書いた紙を掲げて思いを伝える山本潤さん(左)ら=東京都千代田区で2020年3月8日午後6時12分、手塚耕一郎撮影

 性暴力に抗議する人たちが花を持って集まる「フラワーデモ」。2019年4月以降、全国に広まったこの運動を支えたのは、主にツイッター上でつながった個人だった。東京都内の女性(33)もその一人だ。幼い頃から実兄に性暴力を受けてきた。主治医とごくわずかな近しい人にしか話していなかった被害を公の場で語る背中を押したのは、オンラインでつながった性被害当事者たちと刑法改正を求める市民運動だった。【塩田彩/統合デジタル取材センター】

あまりに近い存在から受けた性暴力

 3月8日の国際女性デー。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、JR東京駅前からのインターネット中継となった12回目のフラワーデモを、女性は報道陣の後ろから一人で見つめていた。かじかむ手には小さなブーケとミモザの生花をあしらったブローチ。東京会場は「オンラインデモ」に切り替えられたが、直前まで47都道府県すべてで開催の声が上がっていた。この日、中継を視聴したのは6000人以上。「確実に声が大きくなっている。勇気づけられますよね」と女性は記者に話した。

 女性は幼稚園の頃から、実の兄に性的暴行を受けてきた。小学4年の保健体育の授業で、自分がされていることが性行為だと気づいた。拒否するようになったが、力でねじ伏せられた。夜になると寝室にやってくる兄の気配におびえ、ほとんど寝ることができなかった。被害は中学時代まで続いた。

 訴え出るには、兄はあまりに近い存在だった。両親に知られることだけは嫌だった。メモ代わりの日記を父親に見られたことがあり…

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