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最前線の記者がそれぞれの取材テーマを論じます。1976年にスタートした毎日新聞を代表するコーナー。

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新型コロナ拡大のイタリアで 人のつながり試練の時=中村秀明(客員編集委員)

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いつもの土曜、日曜なら家族連れや若者のグループ、音楽家、似顔絵書きらでにぎわう中心部の歩行者天国だが、人影はほとんどない=イタリア・ボローニャで3月14日、中村秀明撮影
いつもの土曜、日曜なら家族連れや若者のグループ、音楽家、似顔絵書きらでにぎわう中心部の歩行者天国だが、人影はほとんどない=イタリア・ボローニャで3月14日、中村秀明撮影

 またたく間に新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされたイタリア。感染者が増え続ける北部の一角ボローニャで、私は2018年秋から大学に通う。全土で移動が制限された今月10日以降、街は話し声や笑い、音楽も絶えて静まりかえった。感染の恐れや経済への打撃にとどまらない不安が広がっている。それは人と人とのつながりを大切にするという価値観を揺さぶられることである。なんとか、それをつなぎとめ、踏みとどまりたいと人々は懸命だ。

 18日現在で感染者は3万5000人超、死者2978人にのぼる。人口6000万人のイタリアでなぜ、との疑問については、欧州一の高齢化▽緊縮財政に伴う弱い医療体制▽外国人観光客の多さ▽中国との密接な経済関係――などの指摘がある。加えて、人とのつきあいの距離感が近いことも作用しているのだろう。

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