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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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入管長期収容者の絶望 「無期懲役みたい。先が見えない」 “ハンスト”施設を訪ねて

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非正規滞在の外国人が収容される大村入国管理センター=長崎県大村市で2019年11月19日午後0時57分、竹内麻子撮影
非正規滞在の外国人が収容される大村入国管理センター=長崎県大村市で2019年11月19日午後0時57分、竹内麻子撮影

 2019年冬、長崎県にある大村入国管理センターを訪れた。収容長期化が問題となり、同年6月に収容中のナイジェリア人男性がハンガーストライキ(ハンスト)を行い餓死した施設だ。男性の死後、施設内ではハンストを行う収容者が相次いだ。彼らはどんな人たちなのか。ボランティアで収容者の見守りを続ける地元カトリック教会の川田邦弘さん(67)の案内で初めて足を踏み入れると、先の見えない収容生活に絶望しきった外国人たちがいた。【東京社会部・竹内麻子】

多国籍、共通語は「日本語」

 面会時間は1人につき30分。面会室の壁は白く、机を挟んで椅子が二つずつ置かれている。向こう側とは小さな穴が開いたアクリル板で仕切られており、刑務所や拘置所の面会室のようだ。収容者は奥のドアから入管職員に連れられて部屋に入り、職員は後方の椅子に座って面会に立ち会う。持ち込めるのはノートやペン、書類のみ。録音は禁じられている。面会終了が近づくと、職員から「あと5分です」と声がかかった。

 収容者の日本語はかなり流ちょうだ。「いろいろな国籍の人がいる入管での共通語は日本語だから」と川田さんは説明する。

 日本滞在歴が長い収容者が多いのも、理由の一つ。約30年前に来日したネパール国籍の男性は、愛知の自動車工場などで働いてきた。3年前、自転車で買い物に行く途中、警察に職務質問された。在留資格がないことが分かり、収容された。

 1980年代以降、日本ではバブル景気と円高を背景に外国人労働者が急増。非正規滞在も増え、93年には約30万人に上った。2000年代に入ると、入管当局が取り締まりを強化し、一時は5万人台まで減少した。法務省は20年東京五輪までに「我が国社会に不安を与える外国人を大幅に縮減する」との通知を出している。その時々の政治や経済状況によって、外国人労働者の待遇が変わってきた経緯がある。男性は「日本に労働力が必要なときは不法滞在を見過ごしたのに、その後は何一つ道を作ってくれない」と訴えた。

保証金高騰、仮放免諦める人も

 ペルー国籍の日系人の男性は、日本に戻った母を頼って来日し、船の溶接の仕事をしていた。しかし、08年のリーマン・ショックで職を失い、その後、オーバーステイとなって収容された。面会したときは、1カ月間にわたるハンストの結果、仮放免が決まっていた。

 仮放免は「病気その他やむ…

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