職員室で飛び交う暴言、下ネタ 「機能不全」に陥った神戸・東須磨小の抱えた「闇」

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問題発覚直後の記者会見で質問に答える神戸市立東須磨小の仁王美貴校長=神戸市中央区で2019年10月9日午後5時40分、峰本浩二撮影
問題発覚直後の記者会見で質問に答える神戸市立東須磨小の仁王美貴校長=神戸市中央区で2019年10月9日午後5時40分、峰本浩二撮影

 2018年夏、神戸市立東須磨小学校に保護者から一本の電話があった。「先生たちの間でいじめが起きているのではないでしょうか」。女性教諭E(40)が児童の前で男性教員Y(20代)を厳しく叱責したと知り、不安視していた。

 1年以上たった19年10月、東須磨小では教員同士で激辛カレーを無理やり食べさせるなど過激ないじめが多数発覚し、刑事事件にまで発展した。EやYは、いずれも一連の問題の当事者とは別の教員たちだ。保護者の指摘は、生かされていなかった。

 数々のハラスメントがありながら見過ごした東須磨小。その頃、いったい何が起きていたのだろうか――。

絶えぬ教職員間の確執、互いを呼び捨て、暴言、下ネタ日常的に

 20年2月21日、弁護士3人による調査委員会は、最終報告書を神戸市教委に提出した。報告書には、激辛カレーを食べさせられた男性教諭X(25)に対するハラスメントとは別に、東須磨小が抱えていた問題も次々に挙げられた。その内容と取材からは、教員間でいじめやトラブルが多発的に起き、学校全体が「機能不全」に陥っていた当時の状況が浮かび上がる。

 冒頭の保護者の電話は、18年6~7月ごろにあった一つの出来事がきっかけだった。

 Yのクラスに出向いたEが児童に「Yが嫌やったらうちにおいで」と言い、実際に半分以上の児童がEの教室に机ごと移動したのだ。EとYは同じ学年の担任同士。Yのクラスは、児童らが担任の言うことを聞かず、授業が成り立たない「学級崩壊」を起こしていた。Eは児童らを移動させた後、Yに対し「なぜ(自分のクラスの児童を)迎えに来ないのか」としかった。電話をかけた保護者は、それを知り「いじめ」と疑った。

 当時の仁王美貴教頭(55)=現校長=はすぐにEを呼び、「保護者から電話があったんだけど」と話を切り出した。その途端、Eは大きな泣き声を上げ、何も言わずに部屋を出て行った。以来、仁王教頭はその話を二度としなかった。

 Eは後日、調査委の聞き取りに対し、児童らに教室の移動を促していないと一部を否定したが、報告書によれば音楽教諭(56)ら「専科」の教員とも頻繁にトラブルを起こし、「仁王教頭に対してあからさまに反発していた」という証言もあったという。同校では中堅の立場だった。

 Eだけでなく、教職員間の確執は絶えなかった。職員室では互いを呼び捨てにし、「死ね」「カス」といった暴言や下ネタが日常…

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