メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

号外巨人選手 新型コロナ感染の疑い
社説

野田虐待死で判決 子どもを守る連携強化を

[PR]

 千葉県野田市で小学4年の栗原心愛(みあ)さんを虐待死させたとして、千葉地裁が父親の勇一郎被告に懲役16年の判決を言い渡した。

 父親は暴力の内容をほぼ認めず、日常的虐待を否定したが、判決は母親の証言などから全面的に退けた。

 裁判では、心愛さんが屈伸をさせられたり、大泣きしたりする様子を撮影した動画が証拠とされた。判決は「理不尽な支配欲から虐待を続け人格を全否定した」と批判した。

 過去の虐待死事件の量刑は懲役10年前後が多かった。判決は今回、極めて悪質な事例と判断し、先例を上回る刑とした。虐待が後を絶たない中、厳しい姿勢で臨んだと言える。

 亡くなる3カ月前、心愛さんは自分宛てに「未来のあなたを見たい。あきらめないで」と手紙を書いていた。あまりに痛ましい事件だった。

 事件では、児童相談所や自治体の対応に多くの問題点が指摘された。国や自治体の検証で、一時保護した児相が、危険性を十分に検討しないまま帰宅させた実態が判明した。

 市教委は、被害を訴えた学校アンケートの写しを父親に渡していた。

 事件後、子ども保護と保護者支援を担う職員を分けるなど、児相の機能強化に向け、児童虐待対策関連法が改正された。だが、浮き彫りになった課題への取り組みは不十分だ。

 政府は、児相で虐待対応に当たる専門職の増員目標を掲げ、実際に増えつつある。しかし、対応する虐待件数の伸びに追いついていない。2018年度の虐待相談は、過去最多の約16万件に上った。

 職員が数年で異動するため、知識や経験が蓄積されない状況も変わっていない。一時保護をする施設も都市部で定員超過が相次いでいる。

 こうした状況を直ちに改善することは難しい。児相が虐待を見逃さないのは当然であるものの、児相だけに責任を負わせず、関係機関が連携していくことが欠かせない。

 児相と警察が全ての虐待情報を共有する動きが各地で進む。法務省も法務局や検察などが児相を支援する仕組みを設けた。NPO法人など民間の力を活用する取り組みもある。

 各機関が特性を生かし、協力して子どもの異常を早期に把握する。同じ悲劇を繰り返さないため、連携の枠組みを強化していくべきだ。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「鬼滅の刃」アニメ制作会社と社長を告発 1.4億円脱税容疑 キャラ店舗帳簿改ざん

  2. 学校、公共施設で次亜塩素酸水の噴霧休止相次ぐ 厚労省「濃度次第で有害」

  3. 青森の住宅で61歳女性死亡 頭に殴られたような傷 殺人事件で捜査

  4. 「本能寺の変 原因説総選挙」 50説から選ばれたトップは、やはり…

  5. EU外相、米黒人拘束死を「権力の乱用」と非難 デモは欧州に飛び火

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです