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余録

バッタが大量発生して農作物を…

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 バッタが大量発生して農作物を食い荒らす「蝗害(こうがい)」は、かつて日本にもあった。明治以降は1879(明治12)年に始まり、数年間続いた北海道・十勝平野のトノサマバッタの大発生が知られている▲ある年の場合、大群は札幌など石狩地方にまで至った。バッタの大群が空を覆い、作物を食い尽くす様子は「日蝕(にっしょく)のように太陽が陰った」「住民たちはただ茫然(ぼうぜん)として惨状を見守るばかりであった」(帯広市史)などと伝えられる▲その蝗害がいま、東アフリカを中心に深刻化している。国連食糧農業機関(FAO)によると、農作物被害でケニア、エチオピア、ソマリア3カ国で1000万人を超す人が深刻な食糧不足に直面している。被害はアラビア半島や、南西アジアなど広範囲に及ぶ▲パキスタンでは、カーン首相が緊急事態宣言を出した。新型コロナウイルスによるショックが駆け巡る一方で、もうひとつの脅威が世界を挟み撃ちにしている▲蝗害発生の背景には異常気象があるとみられている。砂漠に大量の雨が降ったり、繁殖期が長期化したりすることが、大量発生の温床となっているようだ。資金不足などからバッタの駆除対策が後手に回り、被害を拡大する構図だ▲ちなみに明治の蝗害は逆に十勝平野への関心を高め、開拓が進む契機となったという。FAOは被害の拡大が懸念される夏場に備えるため、各国に資金援助などの支援を呼びかけている。コロナウイルス禍とともに、国際社会の連帯を試す現代の蝗害である。

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