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(文藝春秋・1650円)
お騒がせなタイトルだが、読んでみれば超本格派。感動した。
著者・内田樹(たつる)氏は仏文出身のレヴィナス研究者。思いついたテーマでブログを始めたところ評判になり、書籍化が相次いでいる。本書は直近のブログ記事が中心だ。軽いエッセーの見かけで、ことがらの本質を衝(つ)いて来る。鋭い。古武道の達人のせいだろう、思考の切れ味が違う。
読み過ごせない指摘が多い。日本の若者は≪「罠(わな)にはまった」「息ができない」「身動きできない」≫、≪アメリカ合衆国憲法はそもそも常備軍の存在を認め≫ない、マルクスもフロイトもことがらの断片をつなげる≪「論理の飛躍」≫をしたから創造的だ、教育は学生に「勇気」を与えよ、などなど。付箋をつけたら草むら状態になってしまった。
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