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若島正・評 『フェデラーの一瞬』=デイヴィッド・フォスター・ウォレス著、阿部重夫・訳

 (河出書房新社・3520円)

真の形而上学の美 コートの中に

 日本ではまだまだよく知られているとは言いがたい、デイヴィッド・フォスター・ウォレスは、千ページを楽々と超える大長篇小説『無限の道化』(一九九六年出版、未訳)で熱狂的な読者層をつかみ、二〇〇八年に自殺したアメリカのカルト作家である。そのデイヴィッド・フォスター・ウォレスが生前に出した、彼の知的関心の広さを示す三冊の評論集から、テニスにまつわるエッセイ五篇を選んでまとめたのが、本書『フェデラーの一瞬』だ。

 それにしても、どうしてテニスなのか、とデイヴィッド・フォスター・ウォレスを知らない読者は思うかもしれない。彼はジュニアの選手としてテニスに打ち込んだ経験を持っているが、だからといってその頃を懐かしく回想するようなエッセイばかりが収められているわけではない。ここに集められているのは、主に全米オープンやウィンブルドンの大会を取材で観戦したときの文章なのだが、それを読んでいくとわかるのは、七八フィート…

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