メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

極私的!傑作文章列伝

上野晴子『キジバトの記』 英信支えた妻の才能=米本浩二

1998年刊行、裏山書房

 <日曜カルチャー>

 『追われゆく坑夫たち』などで知られる福岡県筑豊の記録作家、上野英信(1923~87年)没後2年の89年、妻・晴子(はるこ)(26~97年)は、文芸評論家の松原新一の勉強会に参加。そこで書いた短文約50を一冊にまとめたのが遺稿集『キジバトの記』だ。

 英信は山口県阿知須町(現・山口市)生まれ。広島で被爆。京大中退後、筑豊の炭鉱の地底に下り、炭鉱労働者の悲惨を書き留めた。晴子は福岡県久留米市生まれ。56年、英信と結婚し、同年、長男朱(あかし)を出産。64年、福岡県鞍手町で英信と筑豊文庫を開設した。

 反骨精神旺盛な質実剛健の作家と、家事に専念して夫を支える貞淑な妻、というイメージは98年刊行の『キジバトの記』で一掃された。英信の後継者と目された記録作家の川原一之は、<動揺、ショック、驚愕(きょうがく)が次々と襲ってきた。がらがらと崩れるものがあった>と読後の感想を述べている。以下のような記述に打ちのめされたのである。

この記事は有料記事です。

残り1345文字(全文1766文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「ヘルパーからコロナ感染し死亡」 82歳女性の遺族が介護事業所を提訴 広島

  2. フランス料理のシェフ、関根拓さん死去 39歳

  3. 「前例ない決定、菅首相がなぜしたかが問題」学術会議任命外された加藤陽子氏コメント

  4. 「学問と政治の関係の大きな分水嶺」 学術会議に政権の人事介入 揺らぐ独立性

  5. ORICON NEWS 江頭2:50、大川興業を退社 公式サイトで報告「ありがとうございました」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです