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スミレの香り

/251 馳星周 画 田中靖夫

 駅前の信号が変わり、通行人たちが横断歩道を渡りはじめた。有栖川宮記念公園側から駅に向かう人の群れの中に見覚えのある顔があった。

 伊藤沙織だ。

 伊藤沙織はうつむき加減で横断歩道を渡ると、くるりと向きを変えて車道に視線を飛ばした。タクシーをつかまえるつもりのようだった。

 コーヒーをカップホルダーに置き、エンジンをかけた。伊藤沙織は工藤一弥の元に向かう吉澤哲也と別れてきたに違いない。真波のいる場所に向かう可能性がある。

 心臓が早鐘を打った。ステアリングを握る指先が震えている。

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