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号外首相、緊急事態宣言へ 新型コロナ
詩歌の森へ

猫の詩を読む=酒井佐忠

 <鏡の上を走りながら/夕陽を見た//海の匂いに満ちた/消えゆく雲を見た//コオロギの声に包まれて/白い満月を見た//船は丘の上で/錆(さ)びていく>

 詩人の佐々木幹郎は東日本大震災の直後に東北各地を巡った。聞こえない悲しみの声と言葉の関係を探りながら詩集『鏡の上を走りながら』(思潮社)を仕上げ、第一回大岡信賞を受賞した。詩集には近々の入澤康夫への追悼詩もあり、柔らかな表現ながら心の深部に響くものだった。

 その詩人が今度は一転、アパートでともに暮らす野良猫だったツイラク・ミーちゃんを主人公にしたエッセイ集『猫には負ける』(亜紀書房)を刊行した。塀から何回も墜落する猫とはいえ、ストレスフルな近代文明を生きる人間よりは幸せ、との考えが一貫して現れる。詩人と同郷の蕪村の<菜の花や月は東に日は西に>。近世の農民たちは時計などもっていなかった。日が沈み月がのぼれば作業をやめた。その時の菜の花の美しさは、猫の…

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