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再生エネ事業者への出力制御「頻度は増える」 九州送配電社長が見通し

4月に分社化される送配電会社の社長に就任する広渡健氏=福岡市中央区で2020年3月18日午後2時37分、矢頭智剛撮影

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 電力市場の中立性確保を目的に4月に実施される「電力会社の発送電分離」を前に、九州電力送配電の社長に就任予定の広渡健氏が、毎日新聞のインタビューに応じた。「広域機関による運営監視」という現行制度の下で中立性確保に努める一方、電気の供給過剰を防ぐ目的で再生可能エネルギー事業者に一時的に発電停止を求める出力制御の回数については、今後も増える見通しを示した。【聞き手・高橋慶浩】

 ――4月から発送電分離が実施されます。

 ◆発送電分離の目的は公平性の確保だ。九電は分社化を見越して3年前に送配電カンパニーを設立し、顧客情報の厳格な管理や、九電を他の発電・小売会社より優遇しないなど公平性の確保に取り組んできた。それを保ちながら安定供給を続けることが最大の使命だ。

 ――公平性を確保する具体的な手法は。

 ◆分社後も九電と同じビルに入居するが、組織は一部のフロアに集約し、入退室も厳格に管理する。九電の社員は簡単に出入りできなくなるし、顧客情報を扱う社員は九電への異動が制限されるので、情報管理はさらに厳格になる。設備にどの事業者の電気を流すかなどの運営状況は「電力広域的運営推進機関」が監視している。そうした仕組みを通じて公平性を確保していく。

 ――分社化に伴うシステム移行で電気料金などが算定できなくなる障害が続いています。

 ◆移行に向けた確認作業や、下請けとの連携が不十分だったため、推定による電気料金請求など98万件以上の影響を出した点はおわびしたい。プログラムの修復はほぼ終えており、今後新たな障害が発生することはないと聞いている。

 ――太陽光発電の導入量が多い九州の特性にどう対応しますか

 ◆導入量が急速に伸びたため、2018年10月から出力制御をすることになった。現状も19年1月から90万キロワット増え、頻発する事態となっているが、制御する電力量を減らすため、需給の予測精度を高めたい。ただ、今後も年20万~30万キロワットずつ導入されるので制御の頻度は増える見通しだ。

発送電分離

 従来各地域を独占していた電力大手の発電部門と送配電部門を2020年4月に組織的に分離する取り組み。16年4月に電力小売りが全面自由化され、多くの新規業者が参入したが、いずれも電力大手が所有する送配電設備を利用しなければならないため、組織的に分離して競争環境の公平性を確保するのが目的。15年4月には、この公平性を監視する役割として、全国の電力需給と送配電設備運用の状況を一元的に把握する電力広域的運営推進機関が設立された。ただ、日本は「法的分離」を採用したため、分離した送配電会社は元の電力会社の子会社になるなど財務的にも一定の関係性が残ることから「公平性の確保は困難」との指摘もある。

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