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ベルリン映画祭を振り返って 社会派健在、存在感示す 金熊賞監督、スマホ越し「出席」

金熊賞を受賞した映画「そこに悪はない」のモハマド・ラスロフ監督の娘で、出演した女優のバラン・ラスロフ(中央)。スマートフォンで監督とつなぎ、メッセージを届けた=ドイツ・ベルリンで2020年2月29日、井上知大撮影

 1日まで開かれた第70回ベルリン国際映画祭は、イランの死刑制度をテーマにした「そこに悪はない」(モハマド・ラスロフ監督)が最高賞の金熊賞を受賞し閉幕した。世界3大映画祭の一つで、「世界で最も政治的」といわれる同映画祭。今年からトップが交代し新たな体制で動き出した映画祭を振り返る。【井上知大】

 「人々はNOと言う力が必要だ」。ラスロフ監督がテレビ電話で力強く訴えると、記者会見に集まった各国の記者らから大きな拍手がわき起こった。ラスロフ監督の言葉は、同調圧力が強いとも言われる日本から来た私に重く響き、そして考えさせられた。と同時に、国際映画祭は世界のメディアが集まり、政治的な駆け引きやメッセージを発信する場なのだと実感した。

 会見は、ラスロフ監督が不在のなかで行われた。異例の会見になった理由は、イラン政府が「作品が反体制的だ」としてラスロフ監督の出国を禁じているためだ。映画に出演した娘のバラン・ラスロフが授賞式と会見に代理出席したが、会場から「監督の言葉が聞きたい」との声が上がり、イランからスマートフォンを通して「出席」した。

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