浅川整備計画20年前倒し 台風で内水氾濫 県、24年度までに /長野

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 2019年の台風19号による浸水被害を受け、県は23日、長野市の千曲川と合流する浅川下流部の整備計画を約20年前倒しして、24年度までに排水機場のポンプ増設や堤防のかさ上げなどの治水対策を実施する方針を固めた。台風19号と同じ雨量を想定したシミュレーションでは、整備計画を早めることで床上浸水を防げる結果が出た。【島袋太輔】

 県庁で23日開いた浅川総合内水対策協議会で計画の変更案が了承された。3月中に正式な計画を公表する。

 浅川は1983年の台風10号で内水氾濫し、248・5ヘクタール、519棟が浸水被害に遭った。県などはこれと同規模の台風を想定し、13年に向こう30年で実施する「浅川総合内水対策計画」を策定。短期計画は18年度にほぼ終え、残りは中長期計画に位置づけていた。

 一方、台風19号では千曲川からの逆流を防ぐため浅川の水門を閉鎖すると同時に、排水機場のポンプを稼働した。その後、千曲川の水量が基準を超えたため排水を停止。排水規制を約9時間も続けた結果、内水氾濫が起きたとみられる。

 元々の計画では、排水規制を6時間と想定していたため、県は「ここまでの長時間は想定外」といい、浅川の整備計画の見直しを進めた。台風19号で決壊した千曲川の影響は含めず、浅川の内水氾濫のみを想定したシミュレーションを実施。長期計画に位置づけていた「排水機場のポンプ増設」「1・5キロにわたり堤防を15~95センチかさ上げ」「商業施設への浸水を防ぐ堤防(二線堤)の設置」などの対策で、約9時間の排水規制でも床上浸水が起きないと判明した。

長沼地区に雨水調整池 29年度までに設置

 また、県などは、浅川の河川整備と同時に、千曲川の堤防が決壊した長沼地区に雨水調整池を新設するなど29年度までに流域の対策も進める。浅川に流れる水量を抑制し、長沼地区の用水路などの氾濫を防ぐ狙い。貯留量や設置場所は未定。

 現在、長野市は浅川流域に防災調整池を7カ所設置しているが、長沼地区にはない。元々は短期計画に盛り込まれていたが、期間内に整備できず中長期計画に反映。今回の計画変更に伴い優先的に取り組む流域の治水対策に位置づけられた。県や市は、他にもため池を活用するなど流域全体で、浅川の内水氾濫を防ぎたい考えだ。

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