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IOCが五輪延期検討 選手本位で早期に結論を

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 7月24日開幕予定の東京オリンピックについて、国際オリンピック委員会(IOC)が延期の検討を始めた。パラリンピックもIOCの方針を支持する意向を示している。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けての措置だ。多くの競技では五輪予選が実施できず、約1万1000人の出場枠中、43%は確定していないという。各国の選手やオリンピック委員会からは、健康面の懸念や十分な練習ができないなどの理由で延期を求める声が相次いでいる。

 通常開催を強調していたIOCは選手らの批判を受け止め、姿勢を転換した。外国との往来や外出の制限が世界中で行われている現状では、延期検討は現実的な対応といえる。

 IOCは中止の可能性を否定しており、組織委員会、東京都、政府も延期には理解を示している。

 想定されるのは(1)年内延期(2)1年延期(3)2年延期――の三つのシナリオだ。ただし、多くの困難を伴う。

 延期時期によっては、代表選考をやり直す競技が出てくるだろう。一度決まった五輪代表を改めて選ぶのは極めて異例で、選手たちに負担を強いることになる。

 主要国際大会との日程調整も難しい問題だ。秋に延期の場合、欧米プロスポーツのシーズンと重なる。そのため、IOCに巨額放映権料を支払う米国の放送局はこの時期の開催を避けたい意向という。世界的な感染が終息していない可能性もある。

 1年延期にすると、来年は陸上、水泳などの世界選手権が予定されている。2年延期なら中国でのアジア大会などをずらす必要が生じる。新たに日程を設定するには、国際的な理解を広げる努力が欠かせない。

 運営面では競技施設の確保、チケットの抽選、選手団の宿泊や輸送の手配、ボランティアの募集などの作業を再び迫られる。

 運営コストの追加費用についても、どこが負担するかの調整が必要になる。契約変更による違約金や損害補償、数千人の職員を抱える組織委の人件費も大きな課題だ。

 IOCは4週間以内に決めるというが、選手本位の視点で早期に結論を出すべきだ。26日から予定の聖火リレーについても、大会延期の可能性も念頭に、よりふさわしい方策を探るべきだろう。

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