さまざまな当事者研究の話を紹介してきたが、最後に当事者研究に取り組む際のポイントを紹介する。狭い意味での障害がなくても、仕事や子育て、人間関係などで苦労や困難を抱えている人は、誰でも当事者研究を始められる。
他の研究と異なるのは、対象が他の人や事物ではなく自分だということだ。子育てで困っているなら、子どもではなくて困っている自分を研究する。パートナーとの関係でもついつい相手を研究しがちだが、自分を顧みる。
まず押さえておきたいのは、研究対象となる「自分」は二つの要素でできているということだ。一つは生まれ持った「身体」。もう一つは「物語」で、仮に身体が双子のようにそっくりでも生きてきた歴史は違う。当事者研究は、この二つの側面から自分を明らかにする。
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