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ボーン・上田記念国際記者賞受賞、核や国際問題への取材が豊富な会川晴之・専門編集委員のコラム

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アジア系差別の記憶=坂東賢治

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坂東賢治専門編集委員
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 米西海岸サンフランシスコは中国語で「旧金山」と呼ばれる。19世紀半ばのゴールドラッシュで中国からも多くの移民が押し寄せた名残だ。1860年代の大陸横断鉄道の建設では2万人近くの中国人労働者が働き、低賃金でトンネルなど難所の工事を完成させた。

 ジャッキー・チェンさんが紫禁城からさらわれた王女を捜す近衛兵役を演じた米映画「シャンハイ・ヌーン」(2000年)は1880年代の西部ネバダ州が舞台だった。劇中、過酷な条件下で働く中国人労働者が登場し、中国人への偏見も描かれる。

 実際に1870年代以降、米国では中国人労働者への差別が強まった。1871年にはロサンゼルスのチャイナタウンが襲われて多数の中国人が殺害され、1882年には移民を制限する「中国人排斥法」が制定された。

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