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難病で休学も授業料など360万円必要 見直し訴える医学生の苦悩

大学の講義科目などをまとめた要領を読む男性=2020年2月10日午後2時7分、塩田彩撮影

 岩手医科大医学部6年の男性(26)が、休学時にも払わなければならない高額の授業料などの減額を求める署名活動を続けている。男性は約5年前、慢性的な頭痛や吐き気が生じる「脳脊髄(せきずい)液漏出症」と診断され、休学を検討したものの、約300万円の支払いを求められ断念した。「病気やけがで勉強を続けられなくなることは誰にでも起こりうる。体に負担をかけながら通学するか退学するかの二択に学生を追い込むような高額の休学費用を見直してほしい」と訴える。【塩田彩/統合デジタル取材センター】

 男性は2012年3月に岩手県立高を卒業後、私学の岩手医科大医学部に進学。授業料などを地方自治体が肩代わりする代わりに大学卒業後9年間は地元で医師として勤務するという「地域枠」での入学だった。

 14年3月、地元クリニックで腰椎(ようつい)麻酔を受け痔(じ)の手術をした直後から、激しい頭痛やめまい、吐き気などの症状に悩まされるようになった。いつ吐いてもいいようにビニール袋を上着のポケットに入れて大学に通い、その年の夏休みはほとんど自宅で寝て過ごした。

 15年8月に仙台市の仙台医療センターで脳脊髄液漏出症と正式に診断された。髄液の漏出を止める「ブラッドパッチ」治療も受けたが、体調は思うように回復しなかった。講義を休むことを当時の担当教授に相談したが、ベッドで横になって受講するよう言われ、15年9月から16年2月まで、大教室の黒板の前に持ち込まれたベッドの上で講義を受けた。

 1年生の時には学内試験で122人中20番目だったが、4年生での総合成績は131人中98番目に落ちた。5年に進級すれば病院実習が始まる。手術の立ち会いなどで長時間立ちっぱなしになる実習に耐えられるのか不安になり、4年生終盤の16年2月、担当教授らに相談すると、休学を提案された。ただし、それでも授業料など約300万円を支払う必要があると説明を受けたという。

 岩手医科大は学則で、医学部の授業料と実験実習費は休学中は半額を免除すると規定している。しかし、その他に施設整備費などの名目で1年目は年間計400万円、2年目以降は年間計200万円を払わねばならず、学則に規定はないものの、岩手医大総務課によると、休学中も全額を支払うことになっている。男性が希望した5年次の1年間を休学するケースでは、約360万円がかかるという。

 男性は「休学にこれほどの費用がかかるとは、その時まで知らなかった」と振り返る。「300万円払って休学して卒業が遅れるなら、無理をしてでも通学を続けよう」と考えて進級した。

 だが、病院実習ではやはり手術の立ち会い時に気を失って倒れたり、実習後に自主学習をする体力が残っていなかったりして、結局5年の終わりに留年。6年も留年し、現在2回目の6年生となっている。昨年1月、これ以上は体が持たないと考え、退学届を用意した。それでも、それまで費やした7年間と4000万円以上の学費を考えると、退学に踏み切れなかった。

 署名はオンライン署名サイト「Change.org」を利用して昨年春、「医学部の休学費用300万円の減額を求めます」と…

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塩田彩

大阪府出身。2009年入社。前橋支局、生活報道部を経て19年5月より統合デジタル取材センター。障害福祉分野を継続的に取材しています。好物は児童文学。

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