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記者の目

帰還困難区域の全面解除いまだ 国の覚悟が見えない=高橋隆輔(福島支局)

帰還困難区域に指定され、避難指示解除の見通しが立たない福島県浪江町の赤宇木地区=2月27日、渡部直樹撮影

 東京電力福島第1原発事故で全域が避難指示区域となっていた福島県双葉町で4日、放射線量が比較的高い帰還困難区域の一部が解除された。しかし、区域全域の解除に向け、国は道筋を示せずにいる。原子力という国策がもたらした事故の被害住民に、国は納得できる解決策を早く提示すべきだ。国民が主役である民主国家としての姿勢が問われており、決して被災地だけの問題ではない。

 「帰るか帰らないか分からないから除染しないなんて話ねえべ。汚した人がきれいにするのは当たり前じゃないか」。2月、ともに取材していた同僚に、浪江町から避難している住民が漏らした。これからも住み続けるはずだった家を突然汚され、汚した側から退去を求められた。トラブル解決の基本である「原状回復」を求めているだけで、過分な主張とは思えない。

 現行の避難区域は2013年8月までに、第1原発周辺の11市町村計1150平方キロに設定された。除染やインフラ復旧が進んだ自治体から順に解除され、現在は帰還困難区域のみ、約337平方キロが残る。このうち約8%では、22~23年に解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)の整備が進んでいる。

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